
京都府薬剤師会は21日、2026年度第28回定時総会を開催し、河上英治会長が、病院・薬局の削減を試みようとする国の施策に対して、「何処に居ても平等に医療を受けれる国民皆保険の基本的な考えを維持しながら、薬剤師職能を発揮していく」重要性を強く強調した。
総会では、2025年度事業並びに決算、2026年度第一次補正予算案が承認された。2025年度決算は、第58回日薬学術大会開催と同会会館土地購入により、前年度に比べ財務諸表内容が大きく変わった。
河上氏は、「今回の診療報酬の改定は、我々にとって非常に厳しいものとなった」と明言し、「政策誘導の医薬分業がこの数十年間進んできたが、少子高齢化で国民皆保険の財政が立ち行かなくなってきた中で、国は6万軒の薬局数を減らそうと試みている」と指摘。
さらに、「財務省主導で、“何処にいても同じ医療が受けられる”という国民皆保険の基本的な考えが反故にされようとしている」と語気を強め、「我々薬剤師は、国民皆保険の基本的考えの下、薬剤師職能を発揮していくことが重要である」と強調。その上で、「変化の時代を京都府薬も皆さんとともに頑張っていきたい」と訴えかけた。

橘昌利京都府福祉部理事も祝辞の中で大きな転換期を迎えている医療制度について言及し、「85歳以上の人口増加、全体人口の減少、医療需要の多様化の社会変化の中で、薬剤師に求められる役割の重要性が増してきている」と断言。
加えて、「今年度より改正薬機法が段階的に施行されるが、円滑に制度導入するために各薬局のご理解、薬剤師会の組織的な支援をお願いしたい」と要望した。
改正薬機法では、本年5月、「指定乱用防止医薬品」が法的に位置づけられ、薬剤師には若者の市販薬のオーバードーズにおけるゲートキーパー的役割が求められている。また、来年5月には、「調剤業務の一部外部委託」や「健康増進支援薬局の認定」等の制度が施行される。
総会では、2025年度決算として、経常収益合計4億4216万5572円(24年度 2億1789万8821円)、経常費用合計3億7970万9091円(同2158万7853円)が承認された。
経常収支の24年度との大きな差異は、第58回日薬学術大会開催によるもの。25年度は、経常収益として日薬学術大会関係収入1億8857万2639円、経常費用として同大会運営委員会費用1億5705万1810円が計上された。
また、25年度の貸借対照表における「特定資産」の会館整備積立資産(7860万円)は、土地購入資金に充てるために9100万円の取り崩しを行い、年度末に1000万円の積み立てを行ったため、対前年度比8000万円の減少となった。「その他固定資産」の土地は、土地取得のため対前年度比7億2939万2378円の増加となった。
2025年度の主な事業には、△第58回日本学術大会の実施、△京都薬報電子化の導入についての検討、△脳卒中診療における薬剤師の連携、△京都府総合防災訓練への参加△近畿地方DMATブロック訓練参加△緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業、△薬局DX基盤サービス説明会「N-Bridge」への参加(日薬)、△京都府後発医薬品安心使用促進事業ーなどがある。
その中で、災害対策事業は、同会理事の藤田洋司衆議院議員が「衆議院災害対策特別委員会」の委員であるため、京都薬の重要事業の一つに位置づけられている。
本年11月8日に滋賀県で開催される第27回近畿薬剤師学術大会の分科会において藤田理事が、薬剤師の近畿地方DMATブロック訓練参画をもとにした「緊急時に薬を供給するに当たって不足している事項」について講演する。
