抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤「エヌフロンシア」 製造販売承認を取得 MSD

 MSDは19日、長期間作用型抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤「エヌフロンシア」について、製造販売承認を取得したと発表した。
 効能・効果は、「生後初回のRSウイルス感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制」及び、「生後初回のRSウイルス感染流行期の上記以外のすべての新生児及び乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防」。
 RSウイルスは、気道などに感染する伝染性のウイルスで、感染力が強く、特に乳児や高齢者では重篤な呼吸器疾患を引き起こすケースがある。日本では、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも一度は感染するとされており、生後1歳未満では、年間で1000人あたり20~30人程度がRSウイルス感染症で入院を要すると推定されている。
 また、日本の5歳未満の健康な児において、RSウイルス感染症による入院率はインフルエンザの入院率の約10倍高かったという調査や、入院した2歳未満のRSウイルス感染症患者の約90%が、RSウイルス感染症重症化のリスクファクター(早産児、気管支肺異形成症、先天性心疾患(CHD)、ダウン症候群および免疫不全症)を有していなかったという報告があるなど、健康な児においても重症化する例が多くみられる。従って、すべての新生児および乳児が予防できる環境が必要と考えられている。
 エヌフロンシアは、RSウイルス感染症予防の受動免疫として開発された半減期延長型、長期間作用型のヒトモノクローナル抗体(mAb)である。生まれて初めてRSウイルス感染流行期を迎える新生児および乳児に、投与時の体重に関係なく単回固定用量を筋肉内注射することで、抗体が直接的に作用し、予防効果が得られるように設計されている。
 今回の製造販売承認は、初めてRSウイルス感染流行期を迎える生後1歳までの健康な早産児および正期産児を対象にエヌフロンシア単回投与の安全性と有効性を評価するP2b/3相CLEVER(MK-1654-004)試験、RSウイルス感染症の重症化リスクの高い乳児および幼児を対象にエヌフロンシアの安全性と有効性などをパリビズマブと比較するP3相SMART(MK-1654-007)試験結果に基づくもの。
 エヌフロンシアは、2025年6月に米国、2026年4月に欧州委員会(EC)での承認を取得しており、その他複数の国・地域でも承認されている。

◆白沢博満MSD代表取締役会長執行役員グローバル研究開発本部長のコメント
 今回、重症化リスクの高い新生児および乳児だけでなく、すべての新生児および乳児をRSウイルス感染症から守るための新たな選択肢として抗体製剤「エヌフロンシア」の承認を取得できたことを大変嬉しく思う。RSウイルス感染症は、特に乳児において重症化および入院のリスクがあり、本人だけでなく家族にとっても負担の大きな疾患である。
 体重にかかわらず固定用量を1回筋肉内注射することで予防効果を発揮するエヌフロンシアは、日本の子どもたちの健やかな発育に貢献できるものと考えている。より多くの新生児および乳児が公平にRSウイルス感染症から守られるよう抗体製剤の早急な定期接種化を期待している。

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