新規抗RSウイルス薬候補S-337395 米国FDAよりファストトラック指定受領 塩野義製薬

 塩野義製薬は24日、新規抗RS(respiratory syncytial)ウイルス薬候補S-337395について、米国FDAよりファストトラック指定を受領したと発表した。
 FDAのファストトラック指定は、重篤な疾患に対する新たな治療法やアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤等の開発を促進し、迅速に審査することを目的に制定されたもの。
 RSウイルスによる呼吸器感染症は、2歳までにほとんどの子どもが一度は感染し、生涯にわたって再感染を繰り返す疾患である。特に、新生児、乳児、高齢者では、下気道に炎症を引き起こし、重篤な呼吸器症状を伴うことが多いため、早期治療が非常に重要とされている。
 だが、現時点ではRS ウイルスに対する効果的な抗ウイルス薬は存在せず、この分野には依然として大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在している。
 S-337395は、塩野義製薬とUBEとの共同研究にて見出された経口の新規抗RSウイルス薬候補で、RSウイルスの複製に必須なタンパク質を標的とし、ウイルスの増殖を阻害することで効果を発揮する。
 肺内での用量依存的なRSウイルス減少効果が非臨床試験で確認されており、現在、同剤の有効性と安全性の検討を目的にP2試験を実施している。今回のファストトラック指定により、FDAとの協議をより頻繁に行い、申請資料を段階的に提出することで、開発および審査のプロセスの加速が期待される。

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