塩野義製薬は4日、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、FDAよりファストトラック指定(Fast Track designation)を受領したと発表した。
FDAのファストトラック指定は、重篤な疾患に対する新たな治療法やアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤等の開発を促進し、迅速に審査することを目的に制定された制度である。
COVID-19は、生命を脅かす可能性のある深刻な疾患だ。2023年1月中旬の時点で、世界中で6億6000万件を超えるCOVID-19の症例が報告され、米国では1億100万件を超える症例が報告されている。流行の長期化や変異株の出現等に対する懸念から、新たな治療選択肢へのニーズが引き続き存在している。
ゾコーバは、オミクロン株流行期に日本、韓国、ベトナムで実施されたP2/3試験のPhase3partにおいて、重症化リスク因子やワクチン接種の有無にかかわらず集積した集団で、COVID-19症状の罹病期間短縮効果および良好な抗ウイルス効果が示された薬剤である。
グローバルでは、2つのP3試験が進行中だ。今回、ファストトラック指定により、FDAとの間でより多くの協議の場を持つことが可能となり、新たな治療選択肢の早期提供に向けて、開発および審査が加速することが期待される。