ヘルニアメッシュ固定用接着剤「Histoacryl LapFix」発売 ビー・ブラウンエースクラップ

 ビー・ブラウンエースクラップは4日、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術において補綴材(メッシュ)の固定に使用する接着剤「Histoacryl LapFix」の国内販売を開始したと発表した。
 同製品は2017年に欧州で発売されて以降、欧州を中心に約20カ国で提供されている。接着剤を用いることで、組織を穿通させず補綴材(メッシュ)を固定する。
 タッカーや縫合糸を用いた固定方法に加え、術式や医師の判断に応じた治療選択を可能にし、接着剤によるメッシュ固定を選択肢一つとして医療従事者に提供する。
 鼠径ヘルニアは、腹壁の弱くなった部分から腸管や脂肪組織の一部が突出する疾患である。厚労省の統計をもとに、日本ヘルニア学会は、国内で年間約15万人が鼠径部ヘルニアの手術を受けていると推計している。
 鼠径ヘルニアの手術では、突出した組織を本来の位置に戻し、弱くなった腹壁を補綴材(メッシュ)で覆うことで補強する。腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術では、弱くなった腹壁を十分に覆うようにメッシュを展開し、適切な位置に固定することが重要だ。
 メッシュの固定には、一般的にタッカーや縫合糸などが使用されている。これらの方法が組織を穿通させてメッシュを固定するのに対し、接着剤を用いた固定では、組織を穿通させることなくメッシュを固定できる。
 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術における接着剤固定とタッカー固定を比較した20件のランダム化比較試験を対象とする2024年のシステマティックレビューおよびメタ解析では、接着剤固定群はタッカー固定群と比較して、慢性疼痛の発生リスクが有意に低いことが報告されている。
 また、血腫、漿液腫、手術時間、再発率および合併症全体については、両群間に統計学的に有意な差は認められなかった。
 同製品は、組織を穿通させない接着固定に加え、塗布位置の視認性や操作性にも配慮した設計により、メッシュの固定と術後疼痛に配慮した治療選択を支援する。
 同製品は、接着剤、接着剤を塗布するカニューレ、送液用シリンジで構成されており、メッシュを留置した後、固定が必要な部位に接着剤を滴下すると、接着剤が体液等と接触して重合し、メッシュを固定する。
 欧州ヘルニア学会(EHS)を含む国際的な関連学会が支持する鼠径部ヘルニア診療ガイドラインでは、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術においてメッシュ固定を行う場合、外傷性固定器具による術後疼痛のリスクを考慮し、シアノアクリレートなどの接着剤を用いた無外傷性固定法を検討することが示されている。「Histoacryl LapFix」の特徴は次の通り。

・接着剤には着色が施されているため、術中に塗布位置を目視できる。

・体液等との接触後、迅速に硬化する。

・腹腔鏡下手術に対応したカニューレで接着剤を塗布できるよう設計。

・接着剤の主成分には、体液等と接触することで速やかに重合するn-ブチル-2-シアノアクリレートを使用。

タイトルとURLをコピーしました