ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)は4日、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州心臓病学会(ESC2026)で、肥大型心筋症治療剤「カムザイオス」の最大規模かつ最長期間の評価試験であるMAVA-LTE試験(NCT03723655)のEXPLORER-LTEコホートの結果を発表した。同追加データにより、実臨床下におけるカムザイオスの確立された有効性・安全性プロファイルがさらに裏付けられた。
EXPLORER-LTEは、症候性閉塞性肥大型心筋症(oHCM)患者を対象としたカムザイオスの最大規模かつ最長期間の評価試験である。
今回の結果は、継続的かつ一貫した治療下において、カムザイオスの効果が最長5年間にわたり維持することへの理解を深めるもの。
また、ESC 2026で発表されたグローバル後ろ向き実臨床データ研究であるCOLLIGO-HCMの結果も、カムザイオスを支持する豊富な実臨床エビデンスをさらに補強するものであり、oHCM患者の治療選択に有用な知見を提供するものだ。
EXPLORER-LTEは、カムザイオスの長期的な安全性および有効性を評価するために単群・オープンラベル・用量盲検で実施されたP3相EXPLORER-HCM試験からの継続投与試験である。EXPLORER-HCM試験を完了した231例の患者が本長期継続投与試験に登録した。
多くの患者において、左室流出路(LVOT)狭窄の持続的かつ臨床的に意義のある改善が認められるとともに、ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類が少なくとも1段階改善し、心エコー測定項目およびバイオマーカーにおいても顕著な改善が認められた。また、主試験であるEXPLORER-HCM本試験で確認されたもの以外の新たな安全性シグナルは認められなかった。
252週時点において、カムザイオス投与により、長期継続投与試験開始時点からの平均変化量は、安静時LVOT圧較差で38.7mmHgの減少、バルサルバLVOT圧較差で55.6mmHgの減少であった。ほぼ全ての患者(97.4%)が、oHCM患者における閉塞の診断基準値であるバルサルバLVOT圧較差30mmHg以下を達成した。
また、69.6%の患者でNYHA心機能分類が1段階以上改善し、59.2%の患者は無症状となった。平均左室駆出率(LVEF)は10.2%低下したものの、正常範囲内に維持された。
安全性結果は、主試験であるEXPLORER-HCM試験で報告された結果と一貫していた。
さらに、ESC 2026で発表された追加データは、カムザイオスおよびoHCMが患者さんに及ぼす影響への理解をさらに深めるものだ。
グローバル後ろ向き実臨床データ研究であるCOLLIGO-HCMからの2つの発表では、臨床現場におけるカムザイオスを支持する豊富な実臨床エビデンスがさらに蓄積された。
これらの結果は、患者集団全体で一貫した実臨床下での有効性および安全性プロファイルを示しており、症状改善およびLVOT狭窄の軽減が認められた。
さらに、ドイツにおける実臨床観察レジストリ研究の補完的解析では、地域を越えてカムザイオスの有効性が確認され、患者におけるNYHA心機能分類の改善は、これまでに報告された実臨床研究の結果と一致していた。
これらの知見は、カムザイオスに関する既存のエビデンスをさらに強化するとともに、臨床試験で認められた改善効果が実臨床環境においても達成されることを裏付けるものである。
さらに、スウェーデンにおける医療資源利用(HCRU)研究の追加解析では、HCMおよびoHCMに伴う幅広い疾患負荷への理解が深まり、特にoHCMによる負担の大きさが示された。また、oHCM患者に対する正確な診断と継続的な診療の重要性が改めて示された。
カムザイオスは、心筋ミオシン阻害薬(CMI)クラスにおいて最大規模のグローバルエビデンスに支えられており、機能的能力および症状の改善を通じて、oHCM患者さんの治療を変革する重要な役割を果たしている。これにより、患者はより活動的な日常生活を送ることが可能となる。
◆Anjali T. Owensペンシルベニア大学ペレルマン医学部医学准教授で、遺伝性心疾患センターメディカルディレクターのコメント
EXPLORER-LTE試験の最長5年までのデータは、oHCM患者さんにおけるカムザイオスの持続的かつ臨床的に意義のある有効性を示している。
継続的な治療とモニタリングが必要な慢性進行性疾患において、本データは、治療による患者さんへのベネフィットを長期的な視点で理解するための重要なエビデンスとなる。
◆Cristian Massacesi BMSエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサー、開発責任者のコメント
oHCM患者さんにとって、長期データおよび実臨床データは、治療選択への確信を高めるとともに、継続的な治療が長期的にもたらす意味を明確に理解することに役立つ。
当社は心血管領域の研究の推進に注力しており、今回ESC 2026で発表されたデータは、多くの患者さんの日常生活に影響を及ぼす重篤な疾患であるoHCM管理において、カムザイオスが果たす役割と信頼をさらに深めるものである。
