
大阪府薬剤師会は1日、同会館で定例記者会見を開催し、伊藤憲一郎会長が8月20日に素案が示された第二次大阪府地域医療構想について言及した。
伊藤氏は、「大阪府薬では、薬剤師が急性期から在宅介護まで一貫して患者さんを支える専門職として地域医療構想に積極的に参画する」考えを強調。その上で、「薬剤師が社会的役割を果たすために、その役割が適切に位置づけられるよう、行政、医療機関、介護事業者と丁寧な協議を進めていく」とコメントした。
また、令和8年熊本地震における災害医療支援状況については、「被災地の薬局が機能し、九州ブロックも対応したため、日薬から大阪府薬への支援要請はなかった」と報告。その一方で、大阪府医師会JMAT(災害医療チーム)先駆隊からの大阪府薬への薬剤師派遣要請があり、「8月12~15日まで八代北部地域医療センターに山原大輝常務理事が対応した」と明かした。
伊藤氏は、被災地での薬剤師の役割を振り返り、「薬剤師による処方内容の確認が、医師の不安を取り除く重要な役割であると医師から評価された」と紹介。薬剤師の専門性が「災害時にも不可欠であることが改めて示された」と訴求した。
さらに、「平時の地域医療においても、薬剤師の役割が、急性期、在宅、介護連携の全ての領域で重要な役割を担うべきであると考えている。大阪府薬もその実現を支援していく」と言い切った。
8月20日に開催された第62回大阪府医療審議会では「第二次大阪府地域医療構想」の素案が示され、2040年に向けた地域医療体制の再編が本格的に動き始めている。
そのバックグラウンドとして、「急性期医療の持続性」、「高齢者給付金の増加」、「在宅医療の24時間体制」、「介護との連携強化」、「医療人材の確保」など、大阪府内全域で共通する課題が明確に浮彫にされている。
また、地域医療現場では、「高齢者施設から十分な情報共有がないまま、救急搬送が行われている事例がある」、「退院調整に時間を要して在宅復帰が円滑に進まない」、「在宅医療の24時間体制が十分に整理されていない」、「病院と介護施設の連携が不十分」などの課題が深刻になっている。
伊藤氏は、「これらの課題は薬剤師が関与することで改善できる可能性が高い」と明言。今後、大阪府薬では、「急性期から在宅介護まで一環として患者を支える専門職として地域医療構想に積極的に参画し、薬剤師の役割が適切に位置づけられるよう、行政、医療機関、介護事業者と丁寧な協議を重ねていく」考えを示した。
伊藤氏は、大阪府医師会JMAT(災害医療チーム)先駆隊に派遣した山原氏の活動内容についても、「八代北部地域医療センターで、処方箋の確認や、院内処方の支援といった現場の医療提供を支える活動をした」と補足した。
ちなみに、大阪府医師会JMAT(災害医療チーム)先駆隊派遣後のスケジュールが全てキャンセルされたため、大阪府薬から被災地への派遣薬剤師は山原氏のみとなった。
伊藤氏は「DMAT撤退後の混乱期において、薬剤師による処方内容の確認は、我々の不安を取り除く重要な役割であった」と現地の医師から評価されたことを強調。
「薬剤師の専門性が災害時にも不可欠であることが改めて示された」と高く評価した上で、「平時の地域医療においても、急性期、在宅、介護関連の全ての領域においてこの職能を発揮できるように、大阪府薬も全力で支援していきたい」と抱負を述べた。
