第26回国際エイズ会議で「カベヌバ」など長時間作用型注射製剤に関する新規データ発表 塩野義製薬

 塩野義製薬は30日、GSKとともに資本参加するヴィーブ社が、ブラジル・リオデジャネイロで開催された第26回国際エイズ会議(AIDS 2026)において、「カベヌバ」(カボテグラビル+リルピビリン)など長時間作用型注射製剤に関する新たなデータを発表したことを明らかにした。
 新たなデータとして発表されたのは、「HIV治療薬の持効性注射剤カベヌバの臨床・実臨床エビデンスをさらに拡充」、「CLARITY試験における6ヶ月後のフォローアップにより、カボテグラビル注射剤の良好な受容性の確認」、「実臨床データにおいて、カボテグラビル注射剤の高いアドヒアランスと、経口PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis:曝露前予防)経験者において同剤が好まれる傾向を確認」、「年3回投与のPrEP実現に向けたカボテグラビル注射剤の開発が順調に進展」で、詳細は次の通り。

1、実臨床において、Cabenuva(カボテグラビル+リルピビリン)が、毎日服用の経口薬による治療と同等の有効性を確認 

 OPERA研究は、ウイルス学的抑制が得られている約6800人のHIVとともに生きる人々を対象に、米国で実施されている実臨床コホート試験である。カベヌバの2ヵ月に1回の投与で、毎日服用が必要な経口3剤療法であるBIC/FTC/TAF(ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド)と同等のウイルス抑制効果を維持することが示された。

・ウイルス量50 copies/mL未満の抑制状態を維持した割合は、Cabenuva群では89%(3655/4095人)、BIC/FTC/TAF群では83%(2,239/2,699人)であった。(追跡期間中央値はそれぞれ15ヵ月、22ヵ月)。

・ウイルス学的失敗のリスクは両群ともに低く、カベヌバ群で1%(46人)、BIC/FTC/TAF群で2%(46人)であった。

2、 HIVの予防に関連する3つの試験(CLARITY試験、CAPTIVATE試験、PrEPFACTS試験)結果から、CAB-LA(カボテグラビル注射剤)が長期的なHIV予防における重要な選択肢となることを示唆

【CLARITY試験の結果】 
 CLARITY試験1は、HIV-1陰性の成人63名を対象に、CAB-LA(筋肉注射)とLEN(レナカパビル注射剤、皮下注射)を直接比較したP1試験である。2025年10月に発表した投与22日時点の結果に加え、6ヵ月後のフォローアップで実施された注射部位反応(ISR:Injection-Site Reaction)の評価から、CAB-LAの筋肉注射はISRの持続時間が短く、日常生活への影響も少ないことが示された。

・投与から6ヵ月後も硬結の報告があった被験者の割合は、CAB-LA群では20%(12人)、LEN群では90%(54/60人)であった。

・硬結の重症例については、CAB-LA群で報告なし、LEN群では20%(11/54例)が重症と報告された。

・投与90日後時点でのISRの評価を行った結果、「ISRは気にならない」と回答した被験者の割合は、CAB-LA群では92%(56/61人)、LEN群では58%(36/62人)であった。

・ISRについて「かなり気になる」または「非常に気になる」と回答した被験者の割合は、LEN群で12%(7/60人)であった。

【CAPTIVATE試験の結果】
 CAPTIVATE試験は、米国18施設におけるCAB-LAの使用者(241名)および医療従事者(36名)を対象に、実臨床でのCAB-LAの使用経験を評価した観察研究である。同試験の結果から、医療従事者および経口PrEP経験者におけるCAB-LAに対する肯定的な反応が確認され、利便性に加えて、自身の健康管理に主体的にかかわりたいと考える人々にとって、CAB-LAがより好ましいHIVの予防選択肢になることが示された。

・経口PrEP使用経験者の97%(185/190人)が、毎日服用する経口PrEP(2%)よりもCAB-LAを選好した。

・CAB-LAを使用した被験者の99%(239/241人)が「HIVから守られていると感じる」と回答し、99%(238人)が「HIV感染への不安が軽減した」と回答した。また、91%(219人)が「自身の人生をよりコントロールできていると感じる」と回答した。

・医療従事者の89%(16/18施設)が、PrEPとしてのCAB-LAの導入に肯定的な評価を示した。

・処方医は、注射剤投与のために定期的な来院が必要になることから、アドヒアランスの確認(89%)、性感染症検査の機会増加(72%)、その他の健康課題への対応機会(61%)といったメリットをあげた。

【PrEPFACTS試験】
 PrEPFACTS試験は、米国の大規模実臨床データベースを用いて、CAB-LAによるPrEPの使用実態とアドヒアランスを評価した後ろ向きコホート研究である。CAB-LAのPrEP使用者2,913名を対象に、アドヒアランス、投与スケジュールなどを評価している。
 同試験の結果から、CAB-LAの高いアドヒアランスが確認された。高いアドヒアランスを維持することはHIVの予防において重要な要素であり、今回の結果はCAB-LAの実臨床での有用性を強化するエビデンスである。

・全体としてアドヒアランスは高く、PDC(Proportion of Days Covered)の中央値は1.00(IQR: 0.96–1.00)であった。

・89%(2,588人)が観察期間の90%以上をPrEPでカバーされていた。

・CAB-LAの再投与の間隔は85%(9,798/11,476回)が推奨期間である67日以内に実施され、96%(1万1009/1万1476回)は90日以内に実施された。

3、 EXTEND 4M試験では、実臨床におけるPrEP対象者を反映した多様な被験者集団を登録

 EXTEND 4M試験は、現在のCAB-LA(年6回投与のHIV予防薬)を年3回投与とすることを目的としたCAB-LAの新製剤を用いたP2b試験である。同試験では薬物動態(PK)、安全性および忍容性を評価する。

・被験者の45%は出生時の性別が女性であった。32%が黒人またはアフリカ系アメリカ人、37%がヒスパニック/ラテン系であり、多様な被験者に対し本試験が実施されていることが確認された。

・被験者のうち、28%が経口PrEP使用経験者であった。
 

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