マンジャロの保険適用外使用(美容・痩身)に対する適正使用啓発も

大阪府薬剤師会は1日、同会館で伊藤憲一郎会長就任後初めての定例記者会見を開催した。始めに伊藤氏は、「制度改正や社会的な課題が次々と生じる中、薬剤師が安心して職能を発揮できる環境を整えるのが我々の責務と考えている」と強調。その上で、「薬局・病院・大学・行政など様々な現場で働く薬剤師の皆さんの声を受け止めながら、より現場に寄り添った運営を進めていきたい」と訴求した。
定例会見では、「マンジャロの保険適用外使用(美容・痩身)に対する適正使用の啓発」、「2026年度処方箋集中率と地域貢献に関する調査」、「大阪府、大阪市に対する2027年度予算要望」などについて報告された。
近年、2型糖尿病治療薬「マンジャロ」などGLP-1受容体作動薬の保険適用外使用が問題となっている。厚労省は、6月16日、これらのGLP-1受容体作動薬について、美容・痩身目的での適応外使用による健康被害を防ぐため、「医療機関および関係業者に厳格な適正使用の周知を求める通知 」(厚労省 マンジャロなど販売する日本リリー・ノボに対策要請)を発出した。
伊藤氏は「美容・痩身を目的に全国的に使用が広まり、適応疾患(2型糖尿病)に対する安定供給への影響や安全性への懸念が高まっている状況にある」と断言。
さらに、「大阪府薬としても大変憂慮している。適正使用の啓発相談体制の強化など薬剤師として果たすべく役割は小さくない。行政や関係団体と協力しながら必要な対策を着実に進めていきたい」と訴えかけた。
具体的には、マンジャロ等の不適正使用で考えられるリスクである「急激な体重減少」や「低血糖の発症」、「医薬品副作用救済制度の適応外」などを挙げ、「一般市民の皆さんにこういったリスクをしっかりと説明して誤った選択をしないように啓発していく」考えを強調した。
「2026年度処方箋集中率と地域貢献に関する調査」は、財務省の門前薬局減算範囲拡大や小規模薬局集約意見に対し、薬局の地域貢献をエビデンスで示すことを目的としたもの。
6月15日から22日まで全会員薬局を対象に実施し、現在、約半数(3427軒)の回答を得ている。同調査では、「薬局が政令都市に立地するか」、「調剤基本料の種類」、「処方箋の集中率」「処方箋受け取り枚数」など薬局を分類するための質問事項と、「時間外・休日対応」、「防災訓練への参加」、「お薬相談」、「禁煙一声運動」、「多職種連携」、「学校薬剤師」「使用済み注射針の回収」など地域貢献に関する質問事項が併設されている。
今後、調査結果を分析し、「処方箋集中率や立地条件にかかわらず、会員薬局が日常的に担っている地域活動や連携の実施を把握し、地域医療への理解と評価の促進に繋げていく」(羽尻昌徳副会長)。
大阪府、大阪市に対する2027年度予算要望は、7月17日に大阪市、24日に大阪府に対して実施される。伊藤氏は、「これまで重点項目を絞って予算要望してきたが、2027年度は幅広い項目(18項目)に渡っての予算要望になっている」と説明した。

