キャブピリン配合錠 国内製造販売承認取得  武田薬品と大塚製薬

 武田薬品と大塚製薬は25日、武田薬品がボノプラザンフマル酸塩と低用量アスピリンの配合剤である「キャブピリン配合錠」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。同剤は、武田薬品が創製したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)である。
 狭心症や心筋梗塞、虚血性脳血管障害または冠動脈バイパス術等施行後における血栓・塞栓形成の抑制を目的とした抗血小板薬としては、低用量アスピリンに代わる薬剤は多くはない。だが、低用量アスピリン服用時におけるリスクとして消化管傷害が広く知られており、「消化性潰瘍診療ガイドライン2015」では、低用量アスピリンによる消化性潰瘍の再発予防にプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor: PPI)の投与が有効とされている。
 ボノプラザンは、武田薬品が創製したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium- Competitive Acid Blocker : P-CAB)と呼ばれる新しい作用機序の酸関連疾患治療剤で、胃壁細胞における酸分泌の最終段階に位置する H+, K+-ATPase(プロトンポンプ)をカリウムイオンと競合的に阻害することで、速やかで強く持続的な酸分泌抑制作用を示す。
 同配合剤は、1錠中にアスピリンとして100mg、ボノプラザンとして10mgを含有する1日1回の経口投与剤である。低用量アスピリンとボノプラザンを配合剤にすることで、患者の服薬アドヒアランスが改善し、低用量アスピリン投与時の副作用である胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発をより軽減することが期待できる。

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