サンバイオは21日、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善細胞治療薬「アクーゴ脳内移植用注」(一般名:バンデフィテムセル)の発売を開始したと発表した。アクーゴは、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺を対象に、2024年7月、日本において条件及び期限付き承認を取得している。
外傷性脳損傷は、交通事故や転倒などで頭部に外から強い力が加わることで、脳機能に障害をもたらす疾患で、その症状の現れ方は損傷部位や程度により多様であると報告されている。
また、外傷性脳損傷は、単なる一過性の障害ではなく慢性的な機能障害を伴う疾患で、長期にわたり身体機能や認知機能、社会生活に影響を及ぼすことが知られており、大きなアンメットメディカル・ニーズが存在している。
アクーゴは、健康なドナーの骨髄液から採取した間葉系幹細胞を培養した後、神経再生能力を高めるためのヒトNotch-1細胞内ドメイン遺伝子を導入して作成される。脳内の損傷した神経組織に移植することで、FGF-2(タンパク質の一種)等が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する作用が示唆されている。
また、同日、アクーゴの適正使用の推進を目的とした患者向け「細胞治療電話相談窓口」ならびに、「医療従事者向けサイト」(https://akuugo.jp/)を開設した。
外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の患者においては、細胞治療対応可能な医療機関を見つけにくい場合があるなど、適切な受診につながりにくいケースも指摘されている。
電話相談窓口の開設は、こうした状況を踏まえ、アクーゴの投与を希望または検討する患者が、細胞治療の概要や同治療を受けるまでの流れに関して理解を深めた上で、適切な形で医療機関を受診できるよう支援することを目的としたもの。なお、同窓口は特定の治療を推奨するものではなく、個別の診断や治療方針の提案、本製品の使用の可否の判断は行わない。患者が医療機関へ相談できるように適切な情報提供を行う。
サンバイオは、アクーゴを必要とする患者が、適切に医療機関につながる環境整備および適正使用を支える体制整備を進め、医療現場での円滑な導入に取り組んでいく。
◆森敬太サンバイオ代表取締役社長のコメント
米国カリフォルニアで創業して以来、四半世紀を経て、日本の外傷性脳損傷の患者さんへ新たな治療選択肢をお届けできることを大変嬉しく思う。この成果を新たな出発点として、一人でも多くの外傷性脳損傷や脳梗塞の患者さんとご家族にとって前向きな一歩につながることを目指し、米国での展開や脳梗塞での適応拡大を当社の成長戦略の中核として位置づけ、引き続き力強く推進していく。

