ペミガチニブ 胆管がん治療薬として国内承認申請 インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社

 インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社は14日、選択的な線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤「ペミガチニブ」について、胆管がん治療薬として国内製造販売承認申請したと発表した。対象疾患は、FGFR2 融合遺伝子陽性の局所進行または転移性胆管がんで、同適応症に対し、厚生労働省による「希少疾病用医薬品」の指定も受けている。
 希少疾病用医薬品とは、国内の患者数が5万人未満で、メディカルニーズの高い希少疾患の治療薬として開発中の化合物に対し、厚生労働大臣が指定するもの。希少疾病用医薬品としての指定により、国内製造販売承認の優先審査の対象となり、より迅速に医療現場に届けられるようになる。
 ペミガチニブは、FGFR のアイソフォーム 1、2、3に対する強力かつ選択的な経口阻害剤で、非臨床試験では、FGFR変異を有するがん細胞に対する選択的な薬理活性を示している。
ペミガチニブは、 Incyte Corporation(インサイト、本社:米国デラウェア州)によって発見された。米国では、FDA承認の検査法により FGFR2融合遺伝子または遺伝子再構成が検出され、治療歴を有する、切除不能な局所進行または転移性胆管がんの成人患者の治療薬として、FDAの製造販売承認を受け、「Pemazyre」の販売名(一般名:ペミガチニブ)で上肢されている。
 また、欧州では、1サイクル以上の全身療法後に再発もしくは難治性と診断され、FGFR2 融合遺伝子または遺伝子再構成を認める局所進行または転移性胆管がんの成人患者の治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)による医薬品販売承認申請(MAA)の審査が行われている。
 胆管がん以外にも、膀胱がんなどの固形腫瘍や、8p11骨髄増殖症候群を有する患者を対象としたペミガチニブの企業主導試験が、複数進行中だ(FIGHT[FIbroblast Growthfactor receptor in oncology and Hematology Trials:腫瘍と血液疾患の分野における線維芽細胞増殖因子受容体に関する試験]臨床試験プログラム)。
 インサイトは中国本土、香港、マカオ、台湾での、血液領域および腫瘍領域でのペミガチニブの開発および販売に関する権利を、Innovent Biologics, Inc.社に付与した。米国外におけるペミガチニブの開発および販売に関するその他の権利は、すべてインサイトが保持している。

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