Darvadstrocel クローン病成人患者の肛門周囲複雑瘻孔治療で国内承認申請  武田薬品

 武田薬品は10日、Darvadstrocel(開発コードCx601)について、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔治療製品として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
 今回の申請は、国内で実施された Darvadstrocel-3002 試験および、欧州およびイスラエルで実施されたADMIRE-CD 試験の結果に基づくもの。
 Darvadstrocel-3002試験は、日本人の非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者22名を対象にDarvadstrocel の有効性と安全性を検討したP3相、多施設共同、非盲検非対照試験である。
 一方、ADMIRE-CD試験は、非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者212名を対象にDarvadstrocelの有効性と安全性を検討したP3相、無作為化二重盲検比較試験。Darvadstrocel-3002 試験の結果は、今後、学会で公表される予定である。
 クローン病は消化管の慢性炎症性疾患で、国内での疫学的な推定患者数は7 万人といわれている。クローン病の患者は、肛門周囲複雑瘻孔を発症することが多く、これにより強い痛みや膿瘍感染症、便失禁等を引き起こすことがある。利用可能な薬物療法や外科的手処置の進歩にもかかわらず、現在もなお治療困難な疾患であり、患者のQOL に深刻な影響を及ぼしている。
 廣田直美武田薬品日本開発センター所長も、「クローン病に伴う肛門周囲複雑瘻孔は、患者にとって多大な負担となり、QOLを著しく低下させる深刻な合併症である」と強調。
 その上で、「クローン病に伴う肛門周 囲複雑瘻孔を有する日本の成人患者にこの新たな細胞治療という治療オプションを届ける 第一歩を踏み出せた」とコメントしている。
 なお、Darvadstrocelは、予定される効能、効果又は性能をクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔として、2019年3月13日付けで厚生労働省より希少疾病用再生医療等製品に指定されている。欧州では、2018年5月に非活動期/軽度活動期のクローン病成人患者における肛門周囲複雑瘻孔の治療製品として承認を取得している。

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