開放隅角緑内障・高眼圧症治療薬「タプコム」 中国で承認取得 参天製薬

 参天製薬は4日、開放隅角緑内障または高眼圧症の治療薬「タプコム」について、中国の国家薬品監督管理局(NMPA)より製造販売承認を取得したと発表した。
 タプコムは、欧州とアジアを含む40以上の国および地域で承認されている。同製剤は、参天製薬およびAGCにより創製されたタフルプロスト0.0015%と、チモロール0.5%を含有する防腐剤無添加の配合点眼剤である。開放隅角緑内障・高眼圧症を対象とする眼圧下降において、β遮断薬またはプロスタグランジン誘導体単剤では効果が不十分で併用療法を必要とする患者および長期的な緑内障治療において防腐剤を含まない点眼剤が有用な患者を対象に新たな治療選択肢を提供するもの。
 緑内障は、視野欠損につながる視神経の損傷を引き起こし、世界中で失明の主な原因となっている。この疾患は、一般に進行性で非可逆性であるため、治療において、早期発見・早期治療によって進行をコントロールすることが不可欠で、眼圧を下げることが視神経の損傷を回避する有効な治療法である。
 緑内障の患者数は、2040年には世界で1億1180万人に増加すると予測されている。「中国緑内障ガイドライン2022」では、単剤療法で目標眼圧が達成できない場合、作用機序の異なる薬剤の併用療法を用いることができるとしている。
 また、配合剤は、コンプライアンスが向上し使いやすく経済的で、配合剤が利用できる場合は、併用療法よりも配合剤が推奨される。さらに、防腐剤を含む緑内障製品を長期的に局所使用すると、眼表面疾患を引き起こしたり、既存の眼表面疾患を悪化させたりする可能性がある。
 中国の既存の緑内障治療薬の中で、タプコムは、中国初のファーストラインのプロスタグランジン誘導体を含有した防腐剤無添加の配合剤である。2つの有効成分は、眼圧降下のための房水動力学に対する作用機序が異なる。
 同剤の配合成分であるタフルプロストの活性代謝物(タフルプロストカルボン酸体)は、プロスタノイドFP受容体作動薬で房水流出を促進し、もう一方の配合成分であるチモロールマレイン酸塩は、非選択的β受容体遮断剤で房水の産生を抑制する。
 併用療法と同じ有効性と安全性を1日1回の投与で達成でき、2種類の点眼薬を併用する場合と比べて、患者の利便性、服薬遵守、およびQOLがいっそう向上する。
 また、同時に防腐剤への暴露量を低減することで、長期にわたって薬物療法を
受ける緑内障患者さんのベネフィットが高まる。

◆ピーター・サルスティグ参天製薬チーフ メディカル オフィサーのコメント 緑内障は、世界中で不可逆的な失明の主な原因となっており、多くの患者さんのQOLに大きな影響を及ぼしている。そのため、参天製製薬では緑内障を重要な重点治療領域として優先し、患者さんのニーズを満たす治療薬の開発と質の高い眼科薬の提供に取り組んでいる。中国でのタプコム承認は、中国の緑内障患者さんに新たな治療オプションを提供し、緑内障の治療を発展させる上で重要な節目となる。

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