富士フイルムと肺がんの化学放射線療法過去症例検索可能な医療情報システム共同開発 アストラゼネカ

同システムによる過去症例検索の流れ

 アストラゼネカは9日、富士フイルムと切除不能なステージ III 非小細胞肺がん(NSCLC)に対する化学放射線療法(CRT)の過去症例を検索できる医療情報システムを共同開発したと発表した。
 同システムの検索機能は 3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプス ヴィンセント)」の新バージョン「SYNAPSE VINCENT Ver7.0」にオプション搭載され、富士フイルムのグループ会社である富士フイルムメディカルを通じて4月10 日より提供される。
 CRTは、がんの治療法の一つで、放射線療法と化学療法を同時に組み合わせる治療法だ。肺癌診療ガイドラインにおいて、全身状態が良好な場合の切除不能なステージIII NSCLCの治療法として、根治を目的としたCRTが推奨されている。
 近年の放射線治療の高度化や免疫チェックポイント阻害薬の登場による治療法の進展に伴い、切除不能なステージIIINSCLC患者にとってCRTの重要性がますます高まっている。
 だが、放射線治療計画の作成は、ステージIII NSCLC の腫瘍の大きさとリンパ節転移の位置のパターンが多岐にわたり、また、放射線の影響による肺臓炎などの有害事象を引き起こさないようにする必要があることから難しく、医療現場の負担となっていた。
 今回、アストラゼネカと富士フイルムが共同で開発した同システムは、両社が2021年より共同で開発を進めてきた医療情報システムで、切除不能なステージIIINSCLC に対するCRTの過去症例の検索に加え、放射線治療計画の表示が可能だ。
 アストラゼネカが14の医療機関からNSCLCに対してCRT が適用された約1900症例の放射線治療計画の情報を収集し、富士フイルムがその情報のデータベース化および検索機能の開発を行った。同システムは、医師が CT 画像を入力し腫瘍の位置や検索条件を指定すれば、データベースから腫瘍の中心の相対位置が近い過去症例を検索し、医師が参照したい症例の放射線治療計画の情報を表示して、医師による放射線治療計画の作成をサポートする。

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