Lutikizumab 成人化膿性汗腺炎対症P2試験の良好な結果受けP3試験に移行 アッヴィ

 アッヴィは2日、Lutikizumabについて、中等症以上の化膿性汗腺炎(HS)成人患者対象のP2試験の良好な結果を受けP3試験に移行すると発表した。
 P2において、抗TNF療法が効果不十分であった中等症から重症のHS患者を対象に、Lutikizumab(ABT-981)300 mgを隔週または毎週投与したところ、主要評価項目である16週時のHS臨床効果(HiSCR 50)の達成率が、プラセボ(35.0%)を上回る奏効率(それぞれ59.5% 名目p=0.027、48.7% 名目p=0.197)を示したもの。
 これらのデータに基づき、アッヴィは、HSを対象にしたLutikizumabの臨床開発プログラムをP3試験に進める予定である。
 HSは、皮膚科医によって時に「反対型ざ瘡」と呼ばれることもある炎症性の慢性、再発性、進行性の疾患。痛みを伴う嚢胞、膿瘍、 排膿性瘻孔の形成により、不可逆的な皮膚損傷と障害を引き起こす。
 治療法は進歩しているが、治療選択肢は限られている。HSは、世界的に人口の1%が罹患し、診断されるまでに平均7~10年かかると言われている。
 Lutikizumabは、アッヴィが開発中の二重可変領域を有するインターロイキン(IL)1α/1β拮抗薬で、HS 病変においてIL-1αおよびIL-1βが上昇することが研究により示されている。
 P2試験は、過去に抗TNF療法が効果不十分であった中等症から重症の成人HS患者153名を対象に、Lutikizumabの安全性と有効性を評価する16週間のP2相、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照、用量設定、多施設共同試験である。
 多くの患者(70.6%)は、ベースライン時に瘢痕、病変、瘻孔を特徴とする重度のHurley分類III期(HSの最も広範な病型)を有していた。患者はベースライン時に、Lutikizumabの3種類の皮下投与(100 mg隔週、300 mg隔週、または300 mg毎週)のうちの1つ、またはプラセボのいずれかに無作為に割り付けられた。同試験の主要評価項目は16週時のHiSCR50達成率であり、副次的評価項目はベースラインNRS3以上の被験者における16週時の皮膚疼痛NRS30達成率であった。
 P2試験では、多くの患者が重症であったにもかかわらず、主要評価項目で高い奏効率を達成したことに加えて、Lutikizumab300mgを毎週投与した患者および300 mgを隔週で投与した患者は、プラセボと比較して、NRS30による皮膚疼痛の高い改善率とHiSCR75による高い臨床応答閾値の達成を示した。Lutikizumab100mgの隔週投与では、プラセボと比較して、より高い有効性は示されなかった。

◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president 兼chief medical officer global therapeutics(M.D.)のコメント
 アッヴィは、診断が難しく、適切な治療が受けられず、苦しむことも多い、化膿性汗腺炎患者さんに対する新たな治療選択肢を追求するため、先駆的な研究を続けている。これらの結果は、中等症から重症の成人化膿性汗腺炎患者さんに対するLutikizumabによる治療について、さらに理解を深めることに役立つものであり、当社は免疫介在性疾患における25年以上の専門知識を生かし、HSに対するLutikizumabの臨床開発プログラムをP3試験へ進めていく。

◆Alexa B. Kimballベス・イスラエル・ディーコネス医療センターの研究者、ハーバード大学医学部皮膚科教授(M.D., MPH)のコメント
 HSによる患者さんの負担は大きく、診断までの期間の長さ、強い痛み、障害、孤立、生活の質の低下などがあげられる。
 本試験の結果は有望であり、HS患者さんの新たな治療選択肢に対するニーズに取り組むにあたって、HS 患者さんを対象とするLutikizumabの治療について、より深く理解する助けとなるものである。

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