慢性椎間板性腰痛症治療用NF-κB デコイオリゴ DNA 国内P2試験実施へ アンジェス

 アンジェスは29日、慢性椎間板性腰痛症治療用NF-κB デコイオリゴ DNAについて、米国でのP1試験の好結果をふまえて国内でのP2試験実施を決定したと発表した。
 NF-κBは、活性酸素などによる酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起させるため活性化する主要な転写因子である。NF-κB デコイオリゴ DNAは、この NF-κB 転写因子に結合して炎症性サイトカインの放出を抑制し、過剰な炎症反応や免疫反応に起因する様々な疾患の治療における有効性が期待されている。
 NF-κB デコイオリゴ DNAは、2018年2月に米国で椎間板性腰痛症患者を対象とした後期P1試験を開始し、2021年4月に得られた結果では、重篤な有害事象(SAE)は認められず、高い安全性が確認された。
 有効性についても探索的にデータを評価したところ、投与早期より腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与 12 ヵ月後まで継続した。
 これらの結果をふまえ、日本国内においてP2試験を行うことを決定したもの。同P2試験のプロトコールは、多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験とし、投与群を3群(投与量 20mg、10mg、プラセボ)に分け単回椎間板に投与する内容となる。
 アンジェスでは、米国でのP1試験(最大投与量 10mg)から日本におけるP2試験での最大投与量(20mg)を実施するにあたり、始めの2症例において安全性の確認を計画しており、本年10月18日に最初の投与を実施し、その後2例目の投与も完了。29日に独立データ安全性モニタリング委員会において、既投与2例の安全性が確認された。
 これに伴い、前述の臨床試験プロトコールに従ってP2試験を実施していく。NF-κB デコイオリゴ DNA P2試験の概要は次の通り。

・目標症例数は 92 例(実施済み2例を含む)

・慢性椎間板性腰痛症で、痛みの改善を評価する

・AMG0103(10mg 又は 20mg)又はプラセボを単回椎間板内に注射する

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