Zynlonta  r/r DLBCLを対象とした国際共同P3試験に日本も参画 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は25日、開発中のZynlonta(MT-2111、抗CD19抗体薬物複合体)について、自家造血幹細胞移植不適の二次治療以降の再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(r/r DLBCL)を対象とした国際共同P3試験(LOTIS-5、NCT04384484)に、日本も参画したと発表した。
 同剤は、ファーストインクラスとなる抗CD19抗体薬物複合体であり、2021年4月に米国FDAより、2つ以上の全身療法を受けた成人のr/r DLBCL患者に対する単剤療法として米国で迅速承認を取得した。
 田辺三菱製薬は2022年1月に、本剤の日本における開発および商業化に関するライセンス契約をADCT社と締結し、日本でr/r DLBCL患者を対象として単剤療法のP1/2試験を実施している。
 ADCT社は、抗体薬物複合体(ADC)の分野におけるグローバルリーダーかつパイオニアで、血液がんおよび固形癌治療においてパラダイムシフトを起こすべく、独自のピロロベンゾジアゼピン(PBD)を搭載したADC技術を推進している。
 LOTIS-5試験は、r/r DLBCL患者を対象に、同剤とリツキシマブの併用療法を化学療法であるR-GemOx療法(リツキシマブ、ゲムシタビン、オキサリプラチンの併用療法)と比較する国際共同P3試験。
 Zynlontaは、CD19を標的とする抗体薬物複合体(ADC)で、がん細胞の細胞膜上に発現するCD19に結合すると細胞内に取り込まれ、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)の遊離によって抗腫瘍効果が期待できる薬剤である。
 Zynlontaは、2つ以上の全身療法後に再発または難治性(r/r)となる大細胞型B細胞リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特定型[DLBCL, NOS]、低悪性度リンパ腫からの形質転換DLBCLおよび高悪性度B細胞リンパ腫を含む)患者の治療薬として米国FDAより承認を取得している。
 米国の承認は、海外臨床P2試験の成績に基づいており、同試験には1次治療に難治の患者、前治療すべてに難治の患者、ダブルヒット/トリプルヒットのDLBCL患者、Zynlonta投与前に造血幹細胞移植およびCD19を標的としたCAR-T療法を受けた患者など、広範な患者(前治療歴中央値:3)が組み入れられている。
 同適応は、FDAでは迅速承認、EUでは条件付き承認されており、検証試験における臨床的ベネフィットの評価が条件となっている。
 Zynlontaは現在、他の抗悪性腫瘍薬との併用療法で、他のB細胞性リンパ腫および早期治療ラインの治療選択肢として開発中である。

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