花粉症に対する抗体誘導ペプチドとして「FPP004X」の開発を決定 ファンペップ

 ファンペップは13日、花粉症などの標的タンパク質 IgE(Immunoglobulin E)に対する抗体誘導ペプチドの新規開発化合物「FPP004X」を決定し、前臨床試験を開始したと発表した。
 FPP004X は、日本国内において花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象疾患とする開発を進めていく計画である。
 花粉症は、スギやヒノキ等の植物の花粉に対する過剰なアレルギー反応を起こすアレルギー疾患である。代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみなど。
 日本国内の有病率は、2019年に花粉症全体で42.5%、患者数の多いスギ花粉症で38.8%と高く、またそれぞれ10 年前(2008 年)と比較して 10%以上上昇していることなどから、花粉症は社会問題となっている。
 抗体誘導ペプチドは、患者の体内で標的タンパク質に対する抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するペプチド治療ワクチンだ。
 IgEは、アレルギー反応に重要な役割を担っており、アレルギー疾患の発症に関与している。標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチドFPP004Xは、体内で免疫細胞が一定期間 IgE に対する抗体を産生させる作用メカニズムにより、花粉症に対する持続的な効果が期待される。
 この効果の持続期間が長いというワクチンの特長により、ファンペップでは、花粉症のシーズン(飛散時期)前に投与すればシーズンを通して症状を緩和できる患者にとって利便性の高い新しい治療選択肢の提供を目指してFPP004X の医薬品開発を進めていく。
 標的タンパク質 IgE に対する抗体誘導ペプチドの研究開発プロジェクトについては、開発リソースの優先順位の観点から前臨床試験段階にある FPP004の開発を中断してバックアップ化合物の探索研究を実施しいた。この探索研究において良好なプロファイルを持つ候補化合物 FPP004Xの創生に成功したことから、今回、FPP004に替えて新規開発化合物FPP004Xの前臨床試験を開始した。
 なお、同件及び他のプロジェクトの研究開発費を現在精査中であり、2023年12 月期の同社グループの研究開発費の見込額に変更が生じた場合には第2四半期決算短信において開示する予定である。

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