「新型コロナに対する下水疫学調査の実装」が第6回日本医療研究開発大賞受賞 塩野義製薬

表彰式での受賞者の記念撮影写真(左から澤田拓子塩野義製薬取締役副会長、北島正章北海道大学准教授、古賀正敏AdvanSentinel 代表取締役社長 、)

 塩野義製薬は24日、同社と北海道大学・北島正章准教授、AdvanSentinelの3者協同取り組みの「新型コロナに対する下水疫学調査の実装」が、第6回日本医療研究開発大賞「健康・医療戦略担当大臣賞」を受賞したと発表した。
 日本医療研究開発大賞は、医療分野の研究開発やその実用化を行っている法人もしくは個人の功績を称える賞で、「健康・医療戦略(閣議決定)」及び「医療分野研究開発推進計画(健康・医療戦略推進本部決定)」の下実施されているもので、表彰式は23日に首相官邸において執り行われた。受賞内容、受賞理由、各機関の役割は次の通り。

【受賞内容】
◆研究課題:新型コロナに対する下水疫学調査の実装

◆受賞者:北海道大学大学院工学研究院北島正章准教授
塩野義製薬
AdvanSentinel

【受賞理由】
 同研究を通じて、下水中の新型コロナウイルスの高感度検出・変異解析技術を開発し、下水疫学調査の実用化に結び付け、自治体等における本技術の実装により感染実態把握と感染拡大防止対策に貢献した。こうした功績が認められ「健康・医療戦略担当大臣賞」を受賞した。
 実際に東京2020オリンピック・パラリンピック選手村では本技術が感染状況を示す指標の一つとして活用され、選手村内での感染対策に貢献した。
 今後、日本における定点把握を補完するサーベイランスの一つとして、また次のパンデミックへの備えとして広く社会で活用されることが期待される。

【各機関の役割】

◆国立大学法人北海道大学
 受賞した取り組みの代表機関として、下水疫学調査の実用化にあたり下水中ウイルスの高感度検出技術や変異解析技術の開発と実証、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村での実装などを主導してきた。さらに、インフルエンザウイルスなど他のウイルスに対象を拡張して技術開発を実施している。

◆塩野義製薬株式会社
 2020年10月より始まった北海道大学との下水疫学調査の実用化に向けた共同研究を通じて、自動化に適した下水中ウイルスの高感度検出技術を開発するとともに、自動解析体制の構築を主導している。
 また、下水からのウイルス検出や変異解析のサービス提供を実現し、当該技術の実用化に大きく貢献してきた。

◆AdvanSentinel
 2022年1月に塩野義製薬及び島津製作所の合弁会社として設立された、下水疫学調査を主事業とする企業である。北海道大学と塩野義製薬が共同開発した検出技術のキット化やその販売、分析受託事業の展開などを通して下水疫学調査の普及と社会実装に貢献していく。

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