IZERVAY 米国で地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療薬として承認取得 アステラス製薬

 アステラス製薬は5日、IZERVAY(一般名:avacincaptad pegol、ACP)硝子体内注射液について、地図状萎縮(Geographic Atrophy: GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration: AMD)の治療薬とし米国FDAより8月4日(現地時間)に承認を取得したと発表した。
 新規補体因子C5阻害剤のIZERVAYは、唯一、2つのピボタル試験(GATHER1、2試験)において投与後12カ月時点でGAの進行速度を統計学的に有意に抑制することが示され(p<0.01)、FDAから承認されている治療法である。
 今回の承認取得は、GAを伴うAMD患者を対象に、ACPを毎月2mgずつ硝子体内投与し、安全性と有効性を評価した2つのピボタル試験(GATHER1、2試験)の結果に基づくもの。
 GAの進行速度は、ベースライン、投与から6カ月および12カ月時点のGA病変面積によって評価した。両試験における投与後12カ月時点での一次解析では、偽処置対照群と比較して、ACP投与群でGAの進行速度が統計学的に有意に抑制していることが示された。GAの進行速度の抑制は、早ければACP投与後6カ月時点で見られ、最初の1年間で最大35%抑制した。
 GAは、米国で約150万人に影響を及ぼしている。だが、米国でGAを患っている人の約75%は未診断と考えられている。適切なタイミングでの治療がなければ、GA患者の推定66%が失明または重度の視覚障害になる可能性がある。
 GATHER試験におけるACP 2 mg投与群で投与12カ月後に報告された最も一般的な有害事象(発生率5%以上)は、結膜出血(13%)、眼圧上昇(9%)、かすみ目(8%)であった。眼圧の上昇は一過性であり、次の診察までに投与前の水準に回復した。
なお、同件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は精査中である。

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