ウパダシチニブ クローン病のP3試験で好結果 アッヴィ

 アッヴィは9日、ウパダシチニブについて、クローン病を対象とする主要なP3相寛解導入療法試験(U-EXCELとU-EXCEED)ならびに維持療法試験(U-ENDURE)で好結果を得たと発表した。
 対象は、既存治療または生物学的製剤に対して効果不十分、効果減弱又は不耐容となった中等症から重症の活動性クローン病の成人患者。
 U-EXCEEDおよびU-EXCEL寛解導入療法試験、ならびにU-ENDURE維持療法試験は、中等症から重症の活動性クローン病の患者を対象とした、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。
 ウパダシチニブ45mgを投与する寛解導入療法と、15mgまたは30mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価した。
 その結果、主要評価項目である臨床的寛解および内視鏡的改善を評価した2つの寛解導入療法試験ならびに1つの維持療法試験において、プラセボとの比較でウパダシチニブの経口投与の安全性および有効性が示された。同結果は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)に掲載されている。
 同P3相試験プログラムから得られたデータに基づき、各国の規制当局への承認申請が行われた。クローン病に対するウパダシチニブの使用は、英国、ロシア、アラブ首長国連邦、欧州連合、および直近では2023年5月に米国で承認されている。
 クローン病は胃腸(消化管)に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛、疲労をきたす慢性全身性疾患である。進行性の疾患であるため、時間経過とともに悪化する患者さんも多くみられる。クローン病の徴候・症状は予測できないため、患者にとって身体面だけでなく、心理面、経済面でも大きな負担となることがある。

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