地域包括ケアシステム開始に向けて大阪府内の全薬局をかかりつけ薬局に 乾会長が新年度の抱負

乾氏

 大阪府薬剤師会は5日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が2023年度のスタートに当たって、「2025年開始の地域包括ケアシステムに向けて医療DX、薬局DXに積極的に取り組みながら大阪府内の全ての薬局をかかりつけ薬局にしたい」と抱負を述べた。
 2024年から始動する第八次医療計画にも言及し、「計画の全項目に薬剤師が関与できるように、地域における薬剤師・薬局機能を強化するとともに、薬剤師業務の可視化に取り組んでいきたい」と訴求した。

小児在宅対応薬局標榜ステッカー

 会見では、「現在、大阪府内の小児在宅対応薬局が189軒に上り、4月中にそのリストを作成する」予定や、「小児在宅対応薬局標榜ステッカーの完成」、「地域フォーミュラリに関する地域薬剤師会担当者説明会」、「市販薬乱用防止啓発リーフレットの作成」などについて報告された。
 424名が受講した2月26日開催の「小児在宅推進のための研修会」で行われたアンケート調査結果では、55%に当たる189薬局が小児在宅対応薬局リスト化に賛同している。
 賛同表明できない薬局の理由では、「無菌調剤ができない」、「マンパワー不足」が多数を占め、「緊急時対応ができない」などの声も寄せられた。

堀越氏

 堀越博一常務理事は、「今年度以降も引き続き小児在宅対応薬局の支援に取り組んで対応可能薬局を増やしていき、ステッカーを通じて府民に啓発する」考えを強調した。
 3月18日に大阪府薬会館で開催された「地域フォーミュラリに関する地域薬剤師会担当者説明会」には、52地域の薬剤師会から95名、地域フォーミュラリ検討委員会委員5名の合計115名が参加。2021年度に八尾市で実施されたPPIと抗インフルエンザ薬についての取り組みや、2022年度に天王寺区、高槻市で展開されたモデル事業、後発医薬品の現状が報告された。

道明氏

 道明雅代副会長は、「フォーミュラリに関しては、各地域によって環境が異なる。従って、できるところから進めて行きたい」と明言し、「大阪府薬では、正しい情報を伝えるために準備段階における地域アンケートを取って支援していく」方針を明らかにした。
 乾会長も、「どのようにすれば地域薬剤師会を支援できるかを、補助金も含めて理事会、常務理事会、担当役員と図った上でしっかりと進めていきたい」と補足。
 その上で、「地域の医師会、病院との関係性はそれぞれ異なるので、地域の特性に合致した進め方をしてほしい」と改めて訴えかけた。
 一方、若者の薬物乱用は、以前の「危険ドラッグ」、「大麻」から、簡単に手に入る‟コデイン入り咳止め”などの「一般用医薬品の大量服用」に移行しつつある。
 こうした中、大阪府薬では、「府民の皆様へ 若年者、若者の市販薬の乱用を防ぐために」のリーフレットを作成して、「薬局店頭での購入数や服用履歴の確認などをスムーズに行い適正使用に努める」(菱谷博次専務理事)。


     

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