イミフィンジ 非小細胞肺がん対象P3試験でDFCを有意に延長 アストラゼネカ

 アストラゼネカは17日、イミフィンジについて、切除可能な早期(IIA~IIIB期)非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたP3相AEGEAN 試験において無イベント生存期間を有意に延長したと発表した。
 同試験の事前に予定されていた中間解析において、術前化学療法へのイミフィンジの併用および術後のイミフィンジ単剤療法による治療は、術前化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無イベント生存期間(EFS)延長を示したもの。
 また、病理学的完全奏効(pCR)および主要な病理学的奏効(mPR)の最終的な解析結果は、これまでに報告された中間解析における良好な結果と一致していた。同試験は、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を含む主要な副次評価項目を評価するため、予定通り継続する。
 世界で肺がんと診断される患者さんは年間220万人と推定されており、その 80~85%が肺がんの最も一般的な型であるNSCLCと診断されている。NSCLC患者の約25~30%が、根治が期待される切除可能な早期 NSCLC と診断されるが、II 期の5 年生存率は56~65%に過ぎない。
 さらに、IIIA 期では 41%、IIIB 期では 24%にまで低下することから、依然高いアンメットニーズが存在していることがうかがえる 。
イミフィンジの忍容性は良好であり、術前化学療法とイミフィンジの併用療法の安全性は、既知のプロファイルと一貫していた。
 これらのデータは、近く開催される医学学会で発表され、世界の規制当局と共有される予定である。
 アストラゼネカは、肺がんに対する治療薬の開発において、承認済み薬剤および新薬候補を含む包括的なポートフォリオを有している。
 また、今回の結果に加えて、根治を目的とした腫瘍完全切除後の早期(IB、II および IIIA 期)の上皮増殖因子受容体変異(EGFRm)NSCLCにおいて、タグリッソ(オシメルチニブ)がP3相ADAURA試験の重要な副次評価項目である全生存期間(OS)を達成したことを発表した。
 なお、IIA~IIIB期の切除可能なNSCLC患者を対象として、術前化学療法にイミフィンジを併用し、術後補助療法としてイミフィンジを単剤で用いる治療は、本邦未承認である。

◆John V.Heymachテキサス大学 アンダーソンがんセンターの胸部/頭頸部腫瘍科教授・科長のコメント
 術前および術後の早期の段階でイミフィンジを投与することにより、切除可能な NSCLC 患者さんに有意かつ臨床的に意義のあるベネフィットをもたらす。
 切除可能なNSCLCでは、患者さんが長期にわたり生存できる可能性をもたらす新たな選択肢が早急に必要とされている。AEGEAN 試験の結果は、この新しいイミフィンジの投与法が、根治目的の患者さんの転帰改善につながるという説得力のあるエビデンスとなる。

◆Susan Galbraithアストラゼネカオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 切除可能なNSCLC患者さんは、化学療法や手術を行っても、非常に高い割合で再発する。術前と術後の両方にイミフィンジを投与することで、再発や増悪なしに生存できる期間が有意に延長することが示された。今後も、全生存期間を評価するため患者さんの追跡調査を継続していく。

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