過活動膀胱治療剤ビベグロン 杏林製薬と台湾等におけるライセンス契約締結 住友ファーマ

 住友ファーマは6日、過活動膀胱治療剤「ビベグロン」について、杏林製薬と台湾等における開発、製造及び販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。
 今回の契約締結により、杏林製薬は、住友ファーマに対し、台湾、香港、シンガポール、インドネシア、ベトナムにおける同剤の独占的開発権、製造権及び販売権を供与し、住友ファーマは、契約対象各国・地域において、同剤の開発、製造及び販売を行う。
 また、杏林製薬は、住友ファーマより契約一時金を受け取り、同剤の開発及び販売の進展に応じてマイルストンペイメントを受け取る。さらに、ビベグロンの発売後には売上高に対する一定率のロイヤリティを受け取る。
 同剤は、MSDにより創製された1日1回経口投与の選択的β3アドレナリン受容体作動薬である。膀胱のβ3受容体に選択的に作用し膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁の症状を改善する。
 杏林製薬は、住友ファーマとの提携により台湾をはじめとする契約対象各国・地域で同剤の普及を図るとともに、今後とも海外における事業展開を推進していく。
 一方、住友ファーマは、中国においては、同社及びその中国子会社である住友制葯(蘇州)有限公司が2021年5月に同剤の独占的な開発権及び販売権等を取得している。また、日本、中国及びアジア地域を除く全世界においては、住友ファーマの連結子会社であるユーロバント・サイエンシズ・リミテッドが同剤の独占的な開発権、製造権及び販売権を有しており、米国では2021年4月より「ジェムテサ」の製品名で販売している。
 住友ファーマでは、今回の契約対象各国・地域において同剤を必要とする患者に供給するとともに、医薬品の成長市場として注力している東・東南アジアでの収益の最大化に取り組んでいく。

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