抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤 nirsevimab 日本で承認申請 アストラゼネカ

 アストラゼネカは28日、RSウイルス感染による下気道疾患を防ぐ目的でサノフィと共同開発を進めている抗 RS ウイルスヒトモノクローナル抗体製剤 nirsevimabについて、日本における製造販売承認申請を行ったと発表した。
 nirsevimabの対象は、生後初のRSウイルス感染症流行シーズンを迎える新生児と乳児、ならびに生後2 回目の RS ウイルス感染症流行シーズンを迎える重症化リスクの高い24カ月齢までの新生児および乳幼児。
 同申請は、後期P2試験、P3相MELODY試験、P2/3相MEDLEY試験を含む複数の臨床試験で、nirsevimab の有効性と安全性が確認されたことに基づいて行われたもの。
 RSウイルスは、一般的な伝染性ウイルスで、気道に感染する。2019 年には、全世界で約3300万例の急性下気道感染の症例が確認されており、そのうち 300 万人以上が入院を余儀なくされ、26万3000人の5歳未満の小児が入院中に死亡したと推定されている。
 日本においては、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が、本邦における革新的な医薬品・医療機器の創出を目的とした臨床研究や治験のさらなる活性化を目的とした研究を推進する「臨床研究・治験推進研究事業」の一環である「小児領域における新薬開発促進のための医薬品選定等に関する研究」において、nirsevimabを「優先的に開発すべき医薬品」としている。
 それに伴い、日本小児科学会よりnirsevimabの迅速な開発の要望を受けている。
 MELODY試験および後期P2試験結果では、nirsevimab は受診を要するRSウイルス感染症に対して、入院を含む各種評価項目について約80%の一貫した有効性を示し。
 これらの試験でnirsevimabは、全ての乳幼児集団(健康な正期産児、後期早産児、早産児、および特定の健康状態にある乳幼児を含む)において、RS ウイルス感染症による流行シーズン中の外来受診、救急室受診、入院などを低減することに貢献した。
 また、P2/3相MEDLEY 試験において、nirsevimab はパリビズマブと同等の安全性・忍容性プロファイルを示し、有害事象および重篤な有害事象の発現率は両群とも同程度であった。

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