新型コロナ経口治療薬ゾコーバ 新たにグローバルP3試験(STRIVE)開始 塩野義製薬

 塩野義製薬は16日、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、新型コロナ感染症による入院患者を対象としたグローバルP3試験(STRIVE)を新たに開始したと発表した。
 STRIVE(Strategies and Treatments for Respiratory Infections & Viral Emergencies; ClinicalTrials.gov Identifier: NCT05605093)は、ACTIVプログラムの下で実施中の外来患者を対象とするSCORPIO-HR試験(ACTIV-2d)に続く、2つめのグローバルP3試験となる。
 同臨床試験では、新型コロナ感染症による入院患者を対象として、標準治療に加えてゾコーバを1日1回5日間投与した際の有効性と安全性について、プラセボ投与群(標準治療のみ)との比較により評価する。全世界で1500人の患者が登録され、2024年初頭の完了を予定している。
 STRIVEは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の構成機関である国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導する官民パートナーシッププログラム「ACTIV」2より派生した新しい国際臨床研究プログラムで、同機関からの資金援助によって実施される。
 ゾコーバは、同プログラムにおいて最初に評価される薬剤であり、昨日NIHより症例登録の開始が公表された(NIH trial to evaluate Shionogi antiviral in adults hospitalized with COVID-19)。
なお、ゾコーバは、オミクロン株流行期に、重症化リスク因子の有無やワクチン接種の有無にかかわらず幅広い軽症/中等症患者を対象に実施したP2/3試験のPhase 3 partにおいて、オミクロン株に特徴的なCOVID-19の5症状に対する改善効果(主要評価項目)および抗ウイルス効果(主要な副次評価項目)が確認されている。
 これらの結果に基づき、日本においては2022年11月に緊急承認された。現在、無症候/軽度症状のみ有する新型コロナ感染症ウイルス感染者を対象としたP2b/3 partを、日本を中心にアジアで実施中であり、グローバルにおいては、入院を伴わない新型コロナウイルス感染患者を対象としたSCORPIO-HR試験が進行中である。
 また、感染患者の同居家族を対象とした発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)、12歳未満の小児対象試験についても実施に向けて準備を進めている。

タイトルとURLをコピーしました