小野薬品は25日、がんおよび自己免疫疾患の領域で複数の治療薬の開発を進めているバイオテクノロジー企業のKSQ社(米国、マサチューセッツ州)と、がん領域の複数創薬プログラム取得に関する契約を締結したと発表した。
同契約は、小野薬品がKSQ社独自の創薬標的探索技術であるCRISPRomicsプラットフォーム技術を用いて特定した複数のDNA損傷応答に関わる早期創薬プログラムを取得することを目的としたもの。
同契約の締結に基づき、小野薬品は、KSQ社が同定したがん領域の複数の新規治療標的に関する情報および関連する研究資産を取得し、その治療標的に対する最適な医薬品候補を創製する。
小野薬品は、創製した医薬品候補について全世界で独占的に開発・商業化する権利を保有する。また、当社は契約一時金と研究・開発の進捗に応じたマイルストン(最大で数千万ドル)および販売の進捗に応じたマイルストン(最大で数億ドル)、ならびに上市後の売上高に応じたロイヤルティをKSQ社に支払う。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
当社は、がん細胞に対する選択性に優れた新規治療標的を探索する上で、KSQ社のCRISPRomicsプラットフォーム技術を高く評価している。本契約を通じて、KSQ社から取得したプログラムからがん患者さんの治療に役立つ革新的な医薬品を創製するよう取組んでいく。
◆Qasim Rizvi KSQ社最高経営責任者のコメント
小野薬品ががん領域における複数の早期創薬プログラムを取得したことにより、私たちの創薬標的探索力をさらに立証することになり、新規の腫瘍標的を特定し、ファーストインクラスとなり得るプログラムが進展するものと期待している。
本契約は、臨床段階にある他のプログラムを推進する上で、KSQ社にとって重要な提携であり、小野薬品が本契約で取得したプログラムから新薬の開発を進めることを楽しみにしている。