遅発性ジスキネジア治療剤「ジスバルカプセル」国内で製造販売承認取得 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は28日、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害剤「ジスバル」について、同日、「遅発性ジスキネジア」を適応症に厚労省から医薬品製造販売承認を取得したと発表した。
 ジスバルは、日本において遅発性ジスキネジアの治療剤として初めて承認された医薬品となり、遅発性ジスキネジア患者に対する新たな治療の選択肢が期待できる。
 遅発性ジスキネジアは、口腔顔面領域(舌:左右に動かす、口唇:もぐもぐさせる、顎および顔面)、四肢および体幹の不随意運動を特徴とする神経障害だ。
 重症になれば嚥下障害や呼吸困難を引き起こす可能性があり、重篤な状態になる患者もいる。抗精神病薬などの長期間服用により惹起し、ドパミン受容体の感受性増加等が原因と考えられている。
 田辺三菱製薬は、2015年にニューロクライン バイオサイエンシズ社 (米国)から、同剤に関する日本およびアジアの一部における独占的開発および販売権を獲得し、2017年6月からジスバルの国内P2/3相臨床試験(J-KINECT試験:MT-5199-J02)を実施した。
 その結果、有効性の主要評価項目である、投与6週後の異常不随意運動評価尺度(AIMS)合計スコアのベースラインからの平均変化量において、プラセボ群に比べ有意な改善が認められ、投与48週後のAIMS合計スコアにおいても、効果の持続性が示された。また、忍容性は概ね良好であることも確認された。
 同剤は既に、シンガポール、タイ、韓国およびインドネシアにおいて、それぞれ2021年5月、8月、11月および12月に遅発性ジスキネジアに対する承認を取得。マレーシアでは、現在承認申請中である。

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