pitolisant 閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中過度の眠気対象に国内P3試験開始 アキュリスファーマ

 アキュリスファーマは24日、ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantについて、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う日中の過度の眠気に対する国内P3試験を開始したと発表した。
 対象は、持続陽圧呼吸(CPAP)療法による治療を行っているものの、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に伴う日中の過度の眠気が残存する患者。
 同社は、神経・精神疾患領域における革新的な治療薬の開発と商業化を推進する製薬ベンチャー企業である。
 同試験は、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験(パート1)と、その後の多施設共同、非盲検、長期継続投与試験(パート2)からなる日本人を対象とした国内P3試験で、同剤の有効性及び安全性の検証を目的としたもの。
 pitolisantは、Bioprojet社(フランス)が開発した薬剤で、アキュリスファーマが日本での独占的開発・商業化に関するライセンスを有しており、現在、日本における同剤の開発を進めている。
 同剤は、欧州では2021年に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者における覚醒状態の改善及び日中の過度の眠気の減少」を効能・効果として欧州医薬品庁(EMA)より承認取得しており、既に臨床現場で使用されている。
 OSASは、睡眠中に上気道の狭窄・閉塞が生じるために適切な呼吸が妨げられる疾患で、代表的な症状には、大きないびき、日中の眠気、不眠、熟睡感の欠如、全身の倦怠感などがある。
 また、適切な治療が行われない場合の中長期的な問題として、高血圧や動脈硬化などの循環器系疾患、糖尿病、うつ病などの合併症リスクが挙げられる。
 OSASの標準的な治療法であるCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)は、上気道の狭窄・閉塞を緩和し、OSASに伴う諸症状や生活の質(QOL)の改善に寄与する。だが、一部の患者においては適切な基本治療にも関わらず残存する眠気が継続する場合もある。
 日中の過度な眠気は、労働生産性への影響、QOLの低下、交通事故などの事故のリスク因子とされているため、新たな治療選択肢が求められている。
 アキュリスファーマは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を抱える患者、その家族がより安心して、自分らしく生活できる社会を実現するため、同剤を日本の患者へ一日も早く届けることを目指し、事業を推進していく。

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