テリソツズマブ ベドチン 治療歴ある非小細胞肺がんのP2試験で好結果 アッヴィ

アッヴィは、テリソツズマブ ベドチンについて、c-Met過剰発現、上皮増殖因子受容体(EGFR)野生型、進行または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした単群P2相LUMINOSITY試験で良好なトップライン結果を得たことを明らかにした。
 同試験で、独立中央判定委員会(ICR)の判定による全奏効率で、c-Met高度過剰発現患者群で35%、中程度過剰発現患者群で23%と有力な結果が示されたもの。
 さらに、他の評価項目においても臨床的に意義のある結果が得られ、ICRの評価による奏効期間の中央値はc-Met高度過剰発現患者群で9ヵ月、中程度過剰発現患者群で7.2ヵ月で、全生存期間の中央値はc-Met高度過剰発現患者群で14.6ヵ月、中程度過剰発現患者群で14.2ヵ月であった。
 テリソツズマブ ベドチンの安全性プロファイルについては、これまで検討された結果と一致しており、新たな安全性上の懸念は確認されなかった。テリソツズマブ ベドチン単剤投与に伴う有害事象は概ね管理可能で、良好な忍容性を示した。
 LUMINOSITY試験の詳細なデータは今後の医学学会で発表予定で、また同データが迅速承認を後押しする可能性について、世界各国の規制当局と協議予定である。
 肺がんの約85%はNSCLCに分類される。だが、治療の進歩にも関わらず、依然として肺がんは全世界で男女ともにがん関連死の主要な原因だ。c-Metタンパク質の過剰発現は、進行性EGFR野生型NSCLCの約25%で認められ、これらの患者さんにおける予後不良と関連している。
 治療選択肢が非常に限られており、現在承認済みの治療法がないこれらの患者を対象に、開発中のADCであるテリソツズマブ ベドチンの試験が進行中である。
 テリソツズマブ ベドチンは、治療歴のあるc-Met過剰発現EGFR野生型非扁平上皮NSCLCの患者に対する単剤療法として、ランダム化P3試験TeliMET NSCLC-01で評価中で、現在患者登録を行っている。
 また、テリソツズマブ ベドチンは、世界各国から様々な指定を与えられている。米国FDAおよび台湾保健当局より画期的治療薬指定(BTD)を取得し、日本では厚労省(MHLW)より先駆的医薬品指定制度の対象品目に指定され、さらに英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)よりイノベーション・パスポートを授与されている。

◆同試験治験責任医師のRoss Camidge氏(米国コロラド大学がんセンター、M.D., Ph.D)のコメント
 c-Metを過剰発現している非小細胞肺がんの患者さんでは、より良い治療法および新たな治療選択肢への高いニーズがある。P2相LUMINOSITY試験の結果はこのような患者さんに希望を与えるものだ。
 また、今日の発表を受けて、私たちは自信を持ってP3相TeliMET NSCLC-01試験への患者登録を進め、テリソツズマブ ベドチンが持つ可能性への理解を深めていく。

◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president, development and regulatory affairs兼chief medical officer (M.D.)のコメント
 アッヴィのミッションは、患者さんの高いニーズが存在する固形腫瘍において、当社のADCプログラムを通して、新たながん治療薬の開発を推進することである。P2相LUMINOSITY試験の結果は、アッヴィのミッションを前進させる重要な一歩となる。

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