ネットゼロ社会実現の加速目指しCOP27で世界のヘルスケア産業と協業 アストラゼネカ

気候変動と健康の関係が立証されつつある現況も踏まえ

アストラゼネカは17日、ネットゼロ社会の実現を加速すべく、COP27で世界のヘルスケア産業と協業ネットゼロへの移行に向けた保健セクター初の共同行動で主導的な役割を果たすと発表した。
 同社のパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)が参画する持続可能な市場のためのイニシアチブ(SMI)のヘルスシステムタスクフォースは、2022年11月3日 、短期的な排出削減目標を達成し、ネットゼロヘルスケアシステムの実現を加速するための様々な公約を掲げている。
 11月6日にエジプトで始まった2022年国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に先立ち、ヘルスケア産業の主導者達は、官民パートナーシップを通じて、次の3つの公約をサプライチェーン、患者ケアの方法、および臨床試験全体に適用し推進する。
・サプライチェーン全体で脱炭素化の取り組みを推奨するために、一連の共通のサプライヤー基準を適用する。
・患者ケアに関わる全排出量を測定および追跡するためのエンドツーエンドの排出量計算基準およびツールを作成する。
・臨床試験以降の工程で発生する排出量を測定するための共通の枠組みを開発する。
 気候変動と健康との関係は、様々なデータにより立証されつつある。気候危機により、非伝染性疾患や感染症、栄養失調、早逝が増加している。 毎年、大気汚染だけで約700万人が早逝している。毎年500万人が極度の暑さで亡くなっていると推定され、猛暑による死亡者数は2050年までに3倍になると予測されている。
 ヘルスケア産業は、増大する気候危機の影響に対処しているものの当業界の排出量は、世界の温室効果ガス総排出量の約4~5%を占めており、これは二酸化炭素換算で2.4ギガトンに相当する。

◆パスカル・ソリオSMIヘルスシステムタスクフォース最高経営責任者兼主導者のコメント
 気候変動は、現代における世界最大の健康への脅威です。新型コロナウイルスの世界的な流行において、私たちヘルスケア産業が力を合わせ協力すれば、この脅威を乗り越えられることがわかった。今般、我々は気候危機に対しても新型コロナウイルスと同等の緊急性を意識して行動している。SMIヘルスシステムタスクフォースによって発表されたこの共同公約は、他社が行動を起こす際のベンチマークとなる。

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