小野薬品は1日、抗体創薬開発分野での革新的企業であるMTx社（スイス）と、がん免疫領域における抗体医薬品を創製するための創薬提携契約を締結したと発表した。
同契約締結に基づき、MTx社は卓越したマイクロ流体単一細胞クローニングおよびスクリーニング技術を駆使し、がん免疫療法の標的に対する抗体を創製する。
小野薬品は、同創薬提携から創製される抗体医薬品候補の知的財産および全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得する。また、同社はMTx社に対して、契約一時金、提携期間中の研究資金、臨床開発・販売の進捗に応じたマイルストン、および上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払う。
MTx社は、スイス、チューリッヒ、シュリーレンのバイオ テクノパークにある非上場会社で、抗体創製および免疫レパトア解析の分野における革新的企業だ。MTx社の抗体創製プラットフォームは、堅固で、シンプルかつ高速なマイクロ流体単一細胞クローニングおよびスクリーニング技術を用いて、これまでにないスピード、効率、感度での抗体レパトア探索および抗体創製を可能にしている。
同社は、その技術を活用し、自社および提携プロジェクトの形態や適応症にかかわらず、抗体の創製に取り組んでいる。現在、感染症およびがん免疫プログラムのパイプラインを有している。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
当社は、本提携契約を通じてMTx社の抗体科学チームと協働できることを楽しみにしている。本創薬提携により生み出された抗体医薬品候補が、がん免疫領域において患者さんの治療に役立つ当社の医薬品ポートフォリオに加わることを期待している。
◆MTx社創設者で最高科学責任者のChristoph Esslinger氏のコメント
がん免疫領域で実績がある小野薬品は、がん免疫領域のプログラムを推進するための理想的なパートナーである。
がん免疫領域において、当社の抗体創薬プラットフォームが価値の高い標的を特定し、機能的に優れた抗体を創出する能力を有することが評価され、この重要な一歩を踏み出せたことをうれしく思う。
