ビーワン・メディシンズ合同会社は16日、ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「テビムブラ」(一般名:チスレリズマブ、遺伝子組換え)について、厚労省より「再発または遠隔転移を有する上咽頭癌」に関する適応追加承認を取得したと発表した。
同承認により、テビムブラは、同適応症に対して、ゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンとの併用療法で使用可能となる。
なお、同承認は条件付き承認であり、日本人上咽頭癌患者さんにおける同剤の有効性を確認することを目的として、製造販売後調査を全例調査方式で実施する。
なお、テビムブラは既に日本において根治切除不能な進行・再発の食道がん、および治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する適応で承認されており、今回の承認により臨床適用範囲がさらに拡大された。
上咽頭がんは、上咽頭に発生する頭頸部がんの一つで、日本では2021年に約760例が新たに診断された患者数の少ないがんである。
頭頸部癌領域では治療の進歩がみられる一方、上咽頭癌の治療は、病期や患者さんの状態に応じて、放射線治療、化学放射線療法、薬物療法などを組み合わせて検討されるが、再発または遠隔転移を有する患者では、依然としてアンメットメディカルニーズが存在する。
今回の適応追加承認は、再発・遠隔転移を有する上咽頭癌に対する全身薬物療法歴のない患者を対象とした国際共同P3試験(RATIONALE-309)結果に基づくもの。
テビムブラとゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンの併用療法を、プラセボとゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンの併用療法と比較した無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な改善が示された。
安全性については、テビムブラ+化学療法群で100.0%に副作用が認められた。主な副作用(発現率20%以上)は、貧血(85.7%)、好中球数減少(61.7%)、白血球数減少(60.2%)、悪心(57.1%)、血小板数減少(54.1%)、食欲減退(46.6%)、嘔吐(39.1%)、好中球減少症(35.3%)、白血球減少症(34.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(27.8%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(27.1%)、便秘(26.3%)、甲状腺機能低下症(26.3%)、発疹(24.8%)、血中クレアチニン増加(23.3%)、倦怠感(21.1%)であった。
テビムブラはPD-1経路を標的とするモノクローナル抗体であり、Fcγ受容体への結合を最小化するよう設計されている。治療選択にあたっては、患者個々の臨床的背景を総合的に考慮することが重要だ。
◆安達進ビーワン・メディシンズ合同会社社長のコメント
今回の承認により、日本の再発・遠隔転移を有する上咽頭癌患者さんに新たな治療選択肢を提供できることを大変嬉しく思う。
上咽頭癌は頭頸部癌の中でも患者数の少ない希少癌であり、患者さんや医療関係者にとって治療選択肢の拡充が重要な課題の一つであった。
今回の承認が、上咽頭癌患者さんのアンメットメディカルニーズに応え、より多くの患者さんに新たな治療機会を届ける一助となることを期待している。
◆田原信国立がん研究センター東病院頭頸部内科頭頸部内科長のコメント
再発・遠隔転移を有する上咽頭癌は患者数が少なく、治療選択肢が限られている疾患である。RATIONALE-309試験では、チスレリズマブと化学療法の併用により無増悪生存期間の有意な延長が示された。
今回の承認により、日本の患者さんに科学的根拠に基づく新たな一次治療の選択肢が加わることは、臨床上意義があると考えている。


