ペミガチニブ 骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療薬で国内適応追加申請 インサイト・ジャパン

 インサイト・ジャパンは8日、選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤「ペミガチニブ」について、骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療薬として、国内適応拡大承認申請を実施したと発表した。対象は、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍(8p11骨髄増殖症候群)。
 ペミガチニブは、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍の治療薬候補として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。同剤が希少疾病用医薬品の指定を受けるのは、2度目となる。
 厚生労働省は、国内患者数が5万人未満で、メディカルニーズが高い希少疾患の治療薬として開発中の化合物に対し、希少疾病用医薬品の指定を付与する。
 希少疾病用医薬品に指定された医薬品は、製造販売承認の優先審査の対象となり、医療現場へのより迅速な提供が図られる。
 FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍は、きわめてまれな血液がんの1つで染色体のFGFR1遺伝子が存在する領域(8番染色体短腕11-12領域:8p11-12領域)が切断され、別の染色体の断片(遺伝子)と融合した染色体異常(転座)によって引き起こされる。
 様々なパートナー遺伝子がFGFR1チロシンキナーゼの活性化を誘導し、その結果、がん細胞の増殖と生存に影響を及ぼします。病型は骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)/MPN、又は急性骨髄性白血病(AML)、前駆T又はBリンパ芽球性白血病/リンパ腫、あるいは混合表現型急性白血病(MPAL)など多彩である。
 予後は不良で、治癒あるいは長期寛解を期待できる治療選択肢は、現在、同種造血幹細胞移植のみとされているが、標準治療は確立されていない。

◆ローター・フィンケ(M.D.,Ph.D.)インサイト・ジャパン ジェネラルマネージャーのコメント
 FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍に対するペミガチニブの適応拡大承認申請が厚生労働省に提出され、また希少疾病用医薬品の指定を受けたことを大変喜ばしく思う。今回の申請は、この希少疾患に苦しむ患者さんに新しい治療薬をお届けする上で大きな一歩となる。日本での承認審査を進めるため、PMDAと緊密に連携していく。

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