変形性膝関節症の家庭内運動療法・低周波治療器活用機会拡大で協業 セルソースとオムロン ヘルスケア

 セルソースとオムロン ヘルスケアは、変形性膝関節症などの膝の痛みを抱えている患者が家庭で実施する運動療法の取り組みと低周波治療器活用機会拡大拡大に向けた協業契約を本年3月に締結したことを明らかにした。
 膝痛の主な原因である変形性膝関節症は、中高齢者に多い疾患だ。日本における潜在患者数は約2530万人、痛みを自覚している患者は約800万人とも言われている。変形性膝関節症の初期治療では、運動療法による筋力アップや適正体重への減量が重要であるが「疼痛」を理由に十分な運動療法をおこなえないケースもあり得る。
 セルソースは、再生医療の産業化推進を目的とし、再生医療を提供する医療機関への法規対応サポートと、脂肪由来幹細胞や血液の加工受託を行う再生医療関連事業を展開。変形性膝関節症等の治療に用いられているPFC-FDTMの調製方法の特許を保有している。
 PFC-FDは、患者自身の血液から PRP(多血小板血漿)をつくりだし、さらに成長因子を濃縮して無細胞化と凍結乾燥(フリーズドライ)の処理を施したもの。局所投与することで疼痛軽減や機能回復等の効果が期待されている。
 また、医療機関で室温で長期間の保存が可能。長期間保存を可能にするフリーズドライ製法についてはセルソースが特許を取得している。
 PFC-FDを用いる治療は、日本国内でも多くの医療機関で患者希望による自由診療として提供されている。PFC-FDTMを用いた治療と膝周辺の筋肉を鍛える運動療法で関節への負荷を減らし、QOL改善へとつなげる。なお、PFC-FDはセルソースの商標である。
 一方、オムロンヘルスケアは、電気刺激の技術を活かし、歩行時などの膝の痛みを和らげるひざ電気治療バンド「オムロン ひざ電気治療バンド HV-F971」を上市している。膝に痛みをかかえる患者が運動習慣をもつことをサポートしている。
 今回の提携により、両社の強みを合わせて、今後、次の取り組みを実施していく。

・セルソースが提携する医療機関へのひざ電気治療バンドの情報提供や提案活動

・医療機関を通じた患者に対するひざ電気治療バンドの活用機会の提供

・PFC-FDTMおよびひざ電気治療バンドの併用による有用性を検証するための調査活動

・一般生活者への膝痛対策に関する啓発活動

 同取り組みにより2023年3月末までに、セルソースが提携する医療機関のうち100施設において、家庭でおこなう運動療法の促進に向けたひざ電気治療バンドの導入を目指すとともに、膝の痛みの治療に貢献していく。

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