超小型陽子線がん治療装置開発による陽子線治療の普及目指して累計17億円の資金調達完了 ビードットメディカル

 ビードットメディカルは、5月31日、超小型陽子線がん治療装置開発により、身体に負担の少ない陽子線治療の普及を目的とした累計17億円を調達したと発表した。
 ベンチャーキャピタルや事業会社を引受先とした第三者割当増資及び融資により累計17億円の資金調達を実施し、シリーズAを完了したもの。

原理実証を行った超小型陽子線がん治療装置


 同社と大阪大学核物理研究センターは、5月16日に、開発中の超小型陽子線がん治療装置の原理実証を実施し、加速器で発生した陽子線が装置内部の超伝導偏向電磁石内で曲がり、アイソセンタに照射されたことを確認したと公表。シリーズAの資金調達目的としていた超小型陽子線がん治療装置の原理実証に成功したことから、エクステンションラウンドを含むシリーズAを完了した。
 本年4月の保険適用拡大に伴い陽子線治療への注目度が高まる中、同社では、今後、誰もが陽子線治療を選択できる社会の実現を目指して、一日も早い装置販売に向けた取り組みを推進していく。
 ビードットメディカルは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所(放医研)発のベンチャー企業で、放医研で培った高度な技術と経験を活かし、「超小型陽子線がん治療装置」を開発している。
 東京都江戸川区に本社を持ち、日本の技術革新力で世界に挑戦。従来の装置構造とは全く違う、陽子線を任意の角度に曲げるという技術を用いることで、装置をX線治療装置と同程度まで小型化・低価格化する。これまでスペースやコストを理由に陽子線治療の導入が困難であった病院への導入を可能にし、陽子線治療へのアクセス向上を目指していく。
  

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