米国で細胞製品製造施設建設へ 住友ファーマ

 住友ファーマは22日、米国においてcGMP準拠の細胞製品製造施設(CPC)を建設すると発表した。
 同CPCでは、住友ファーマ連結子会社のエンジバント社が2021年10月に米国FDAより承認を取得した他家培養胸腺組織「RETHYMIC(リサイミック、他家培養胸腺組織)」を製造する予定である。
 さらに、同社が事業化を目指している他家iPS細胞由来の細胞製品の製造にも適応できるように同CPCを拡張していく計画を示している。
 住友ファーマおよびエンジバント社は、米国のダーラム近郊の Research Triangle Park 地域において、2022 年夏に CPC(延床面積:3385㎡)の着工を予定している。2023 年度完成予定であり、総投資額は約34 00万米ドル。
 住友ファーマは、総合研究所(大阪府吹田市)内に再生・細胞医薬製造プラントSMaRT、SumitomoPharma Manufacturing Plant for Regenerative Medicine & Cell Therapy)を保有している。
 これに加えて同CPC建設により、米国での再生・細胞医薬事業の拠点として活用する予定だ。
 リサイミックは、小児先天性無胸腺症の免疫再構築を適応症とした生涯に 1回きりの革新的な組織移植による再生医療に使用される。
 小児先天性無胸腺症患者の胸腺機能を再生するように設計・処理されたヒト胸腺組織で、提供者と被移植者のマッチングを必要としない。同剤は、10の臨床試験で25年以上にわたって研究されており、FDA より再生医療先端治療指定(RMAT)、ブレイクスルーセラピー指定、希少小児疾患治療薬指定、希少疾患治療薬指定などの複数の指定を応需。小児先天性無胸腺症の免疫再構築を適応症として FDAによって承認された最初で唯一の治療法である。
 また、欧州医薬品庁(EMA)より希少疾患治療薬指定および先端医療医薬品指定(ATMP)を受けている。

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