米国政府に新型コロナ曝露前予防適応抗体併用療法「Evusheld」を100万回分追加供給 アストラゼネカ

 アストラゼネカは14日、米国保健福祉省が新型コロナ感染症の曝露前予防を適応とする長時間作用型抗体の併用療法であるEvusheld(チキサゲビマブとシルガビマブの同梱製剤、開発コード:AZD7442)を100万回分を追加購入する契約を締結したと発表した。
 同契約は、米国全土の施設で既に投与が行われている70万回分の購入に続き、米国政府が本年1月12日に公表した50万回分の追加購入を100万回分に拡大するもので、購入は合計170万回分となる。
 米国政府は、この追加購入分を無料で州および準州に配布する計画を表明している。
 Evusheldは、複数の独立したウイルスおよび疑似ウイルス試験により、オミクロン変異株および現在までに試験された既知の SARS-CoV-2変異株に対する中和活性の保持が示されている。加えて、ウイルスに対する異なる補完的な活性を有する2つの強力な抗体を組み合わせることで、新たな SARS-CoV-2変異株の出現に伴う効力の低下を回避するよう設計されている。
 疾患や免疫抑制剤の使用により中等度から重度の免疫不全があり、COVID-19 ワクチンに対して十分な免疫応答が得られない可能性がある成人および青年 (12 歳以上かつ体重40kg 以上)、あるいは COVID-19 ワクチンに対する重度の副反応歴があるために COVID-19 ワクチンの接種が推奨されない方に対する曝露前予防を適応として、米国で 2021 年 12 月 8 日に緊急使用許可を取得した。
同剤の使用は、食品・医薬品・化粧品法に基づく Evusheld の緊急使用許可を正当化する状況が存在するという宣言の期間のみ、許可が早期に終了または取り消されない限りにおいて許可される。

◆アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼バイオ医薬品事業部門プレジデントのRuud Dobber氏のコメント
 米国全土で COVID-19 の症例が継続するなか、変異株であるオミクロン株の出現を受け、このウイルスに対して抵抗力が最も弱い免疫不全患者さんへのさらなる防衛策の提供が、極めて重要なニーズとなっている。
 当社がEvusheldで新型コロナ感染症との闘いにおいて引き続き主導的役割を担い続けることを誇りに思っている。Evusheldは、米国において曝露前予防を適応として緊急使用許可を取得した初の長時間作用型抗体併用療法であり、曝露前予防の適応が許可されている抗体療法の中では唯一、オミクロン株および既知のすべての変異株に対する中和活性を示している。

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