オプジーボとカボメティクス併用療法 P3試験で進行腎細胞がん一次治療に有用性  小野薬品

 小野薬品は9日、オプジーボとカボメティクスの併用療法について、P3相試験(CheckMate-9ER試験)の新たな解析で、進行腎細胞がんのファーストライン治療薬として持続的な生存期間と奏効率のベネフィットを示したと発表した。8日にブリストル マイヤーズ スクイブとExelixis社が公表したもの。
 CheckMate-9ER試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象に評価した多国籍共同無作為化非盲検P3相臨床試験。CheckMate-9ER試験の新たな解析では、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、オプジーボとカボメティクスの併用療法が、スニチニブと比較して、臨床的に意義のある持続的な有効性ベネフィットおよび生活の質の改善を示した。
 CheckMate -9ER試験の肉腫様型におけるアウトカムおよび追跡調査の最新結果では、中央値2年間(23.5カ月)の追跡調査において、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、引き続き良好な無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)および全生存期間(OS)を示し、投与の中止につながる治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は低かった。
 追跡調査において、新たな安全性シグナルは認められなかった。全患者集団の結果は次の通り。
◆PFS:併用療法は、スニチニブと比較して、試験の主要評価項目であるPFSの中央値を2倍に延長した(併用療法群17.0カ月 vs スニチニブ群8.3カ月;HR 0.52;95% CI:0.43 – 0.64)。
ORR:併用療法は、スニチニブと比較して、2倍近くの奏効率を示した(54.8% vs 28.4%)。
◆OS:併用療法は、スニチニブと比較して、引き続き、OSの改善を示し、死亡リスクを34%低減した(HR:0.66;95% CI:0.50 – 0.87)。
 病勢コントロール率:探索的解析において、病勢コントロール率(完全奏効、部分奏効および病勢安定を含む)は、併用療法群で88.2%、スニチニブ群では69.9%であった。
◆完全奏効(CR):探索的解析において、CR率は、併用療法群で9.3%、スニチニブ群では4.3%であった。
◆TRAEによる投与の中止:TRAEによる投与の中止率は、併用療法群で6.6%、オプジーボのみで9.7%、カボメティクスのみで7.2%であった。
 肉腫様型の患者75例の探索的サブグループ解析において、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、一般に予後不良である同集団においてベネフィットを示し、死亡リスクを64%低減し(HR 0.36;95% CI:0.17 – 0.79)、良好なPFS(10.3カ月 vs 4.2カ月)およびORR(55.9% vs 22.0%)を示した。
 一方、オプジーボとカボザンチニブの併用療法をスニチニブと比較したファーストライン治療を受けた進行腎細胞がん(aRCC)患者の患者報告アウトカムでは、CheckMate -9ER試験の中央値18.1カ月間の追跡調査で実施した個別解析において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群で、統計学的に有意な健康関連の生活の質のベネフィットが報告された。
 オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、より低い治療の負担、悪化リスクの低減、疾患関連症状の軽減に関連していた。
 これらの探索的アウトカムは、腎臓がんに特化した生活の質ツールであり、がん治療機能評価の基準である腎臓がん症状指標(FKSI-19)およびEQ-5D-3Lを用いて評価された。
 メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、クリニカル・オンコロジーのJack and Dorothy Byrne Chairで、泌尿生殖器がんサービス腎臓がん部門長のRobert Motzer(M.D.)氏は、「進行腎細胞がん患者の全てのサブグループでベネフィットを示す新しい治療が、引き続き必要とされて その上で、「CheckMate -9ER試験では、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、無増悪生存期間を2倍に延長し、全生存期間および奏効率を改善したほか、探索的解析において素晴らしい病勢コントロールを示した」と報告する。
 さらに、「この有望な有効性の結果は、追跡調査においても持続していた。また、本試験の患者で、この治療困難な疾患の治療を受ける患者にとって重要な生活の質の有意な改善が報告されたことも注目に値する」とコメントしている。
 これらのデータは、2021年2月11日~13日にバーチャルで開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)2021年泌尿器がんシンポジウムで発表される。

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