医療機器プログラム「マイPKフィット」が2021年度グッドデザイン賞受賞  武田薬品

 武田薬品は20日、医療機器プログラム「マイPK フィット」(一般名称:ハイリスク薬物動態解析プログラム)が2021年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。
 グッドデザイン賞は、日本デザイン振興会の主催で、毎年デザインが優れた物事に贈られる賞で、1957 年創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みである。
 血友病領域での受賞は 2018年度の血友病A治療薬 「アディノベイト静注用キット」に引き続き2度目となる。
 従来、血液凝固第VIII 因子製剤の薬物動態(PK)のパラメータを算出するために11回程度の採血が必要であった。こうした中、マイPKフィットは、最低2回の採血で、患者一人ひとりの PK に基づいた適切な個別化治療を実現するために開発されたウェブベースの医療機器プログラム(ソフトウェア)である。
 患者は専用のモバイルアプリの使用によりマイPK フィットで作成されたPK プロファイルの情報を基に、患者が治療中の自身の現在および将来の推定第VIII因子活性値を視覚的にいつでも、どこでも確認することができる。
 日本では、5000人強の血友病A患者がいると報告されている。血友病においては、関節内出血による関節症や頭蓋内出血による重篤なダメージにつながる場合があるため、1回の出血が患者に与える影響が大きいと言われている。
 近年の血友病治療においては、定期補充療法を実施し、患者の出血予防のみならず、血友病ではない人と同程度のQOL達成を目指した治療が新たなテーマとなっている。
 こうした背景のもと武田薬品は、今後も血友病領域のリーディングカンパニーとして、血友病患者の個々の PK に基づいた個別化治療を通じて、最適な定期補充療法の実現をサポートしていく。

◆グッドデザイン賞審査委員のコメント
 血友病の患者にとって、血液の凝固剤を定期的に補うことが不可欠である。従来、薬剤の薬物動態には個人差があり、投与量や時期、投与回数に幅があり、マニュアルで管理されてきた。 そこをデジタル化して、測定されたデータをもとに医師が今後の投薬状況を判断できる環境を構築したことは、患者や家族、さらには医療従事者にとって信頼性の高いものである。今後も継続的な取り組みに期待したい。

◆濱村美砂子武田薬品レアディジーズビジネスユニットヘッドのコメント
 グッドデザイン賞を受賞できたことをうれしく思う。マイPKフィットは、患者さんの治療内容の情報共有を担当医と患者さんの間で簡単に行うことができるようデザインされている。受賞を機に、より多くの患者さんが個別化治療を通じた最適な定期補充療法を実現できるよう尽力したい。

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