大阪府・大阪市の新型コロナワクチン大規模接種にしっかり対応  大阪府薬乾会長

乾氏

 大阪府薬剤師会は12日、同会館で定例記者会見を開催し、乾英夫会長が、「大阪府・大阪市が設置する新型コロナワクチン大規模接種会場への薬剤師の出務に、今後もしっかりと対応していく」考えを改めて強調した。
 また、8月1日からスタートする「地域連携薬局」については、「現在、大阪府薬務課が薬局の事前相談を受け付けている」と報告。その上で、「大阪府薬では、専門医療機関連携薬局も含めて、多くの会員薬局が地域医療に貢献できるように支援していきたい」と訴えかけた。
  大阪府・大阪市の新型コロナワクチン大規模接種は、大阪府がマイドーム大阪で11月30日まで、大阪市がインテックス大阪で9月26日まで実施する。現在の1日の接種者数は、マイドーム大阪3000名、インテックス大阪3500名を数える。
 インテックス大阪(大阪市)での大規模集団接種は、6月7日よりスタートしており、6月は大阪府薬役員、大日本住友製薬の薬剤師が出務。7月からは、大阪市内の地域薬剤師会の薬局、教職、病院、メーカーの薬剤師がローテーションを組んで出務しており、今後も順調にシフトが組まれている。

堀越氏


 堀越博一常務理事は、「インテックス大阪では、おくすり相談のブースもあるが、薬剤師は主に予診チェックのところに待機して業務を行っている。また、救急時に備えて、ノルアドレナリン注などの払い出し・管理業務も実施している」と話す。
 一方、6月18日にスタートしたマイドーム大阪(大阪府)のコナワクチン大規模集団接種は、大阪市以外の大阪府下の地域薬剤師会の薬局などで対応している。出務した薬剤師は、ワクチンが分注された注射器に気泡が入ってないかのチェックや投与量の確認、注射の払い出し、お薬相談などの業務を実施している。
 ちなみに、インテックス大阪、マイドーム大阪の両会場ともに、「薬剤師は、分注業務には対応していない」(道明雅代副会長)。

道明氏


 おくすり相談について道明氏は、「接種者は、高脂血症薬を“血液サラサラにする薬”と認識し、血栓溶解剤と間違えて相談してくるケースが多い」と報告。
 さらに、「『自分の服薬している薬は覚えているので、お薬手帳は持っていない』と言う人がいる。だが、聞いてみると薬剤名はうろ覚えで、きちんと言えないケースが少なくないため、是非普段からお薬手帳を活用してほしい」と要望する。
 堀越氏は、「新型コロナ感染症治療に用いる解熱剤はアセトアミノフェンでNSAIDは使えないため、新型コロナワクチンの副反応による発熱もアセトアミノフェンしか使えないと勘違いしている人が多い」と指摘。
 その上で、「新型コロナワクチン接種の副反応では、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDも使えることをきちんと説明している」と述べた。
 気になる昨今の新型コロナワクチン不足については乾会長が、「モデルナ製を使用している大阪府・大阪市の大規模接種会場では、今のところ受付を止めるところまでは行っていない」と報告した。
 その一方で、供給面で不安のあるファイザー製ワクチンを使用している“大阪市内の各区での地域集団接種”は、同日、松井一郎大阪市長が、「8月1日に一旦中止して、各地域のかかりつけ医療機関での個別接種に切り替える」方針を明らかにした。
 同集団接種は、大阪府医師会が大阪市から委託を受けて実施しているもので、堀越氏は、「各区の地域集団接種は、今後、地域の医師会と連携しながら対応していく」考えを示した。

尾島氏


 また、尾島博司大阪府薬剤師連盟会長は、本年4月に設立された自民党大阪府市町村議会薬剤師問題議員連盟(自民党府薬議員連盟)に言及。「薬剤師の職能拡大・地位向上の一環として、まず、同連盟に対して、学校薬剤師活動の理解を深めて支援してもらう活動から開始する」施策を明らかにした。

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