ウパダシチニブ 強直性脊椎炎治療薬として国内適応追加承認申請 アッヴィ合同会社

 アッヴィ合同会社は6月30日、ウパダシチニブについて、既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎に対する治療薬として日本における適応追加承認を申請したと発表した。ウパダシチニブは、低分子のJAK阻害剤で、強直性脊椎炎を適応症とする1日1回投与の経口剤として開発されてきた。
 強直性脊椎炎は、頸部から腰背部や臀部、時に手足の関節の痛みやこわばりで始まり、一部の患者においてこれらの部位が固まって次第に動かなくなる全身性の慢性炎症性疾患で、国の難病に指定されている。
 多様な症状が、患者に身体的、心理的および経済的な負担を及ぼすこともある。好発年齢は10~20代で、若年の男性で多く発症し、その多くは数十年という長い慢性の経過をとる。原因は、未だ明らかとなっていないが、遺伝的な要因が関与していると考えられている。
 有病率は、欧米(0.9%)に比べて日本人(0.0065%)では低く、国内では稀な疾患と考えられている。
 今回の申請は、生物学的 DMARDs による治療歴がなく、2種類以上の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で効果不十分またはNSAIDsが不耐容/禁忌であった活動性強直性脊椎炎の成人患者を対象としたp2/3相 SELECT-AXIS1 試験の結果に基づくもの。
 ウパダシチニブは、プラセボと比較して、主要評価項目である14週時の ASAS40(国際脊椎関節炎評価学会(ASAS)基準で 40%の改善)を達成した。
 強直性脊椎炎を対象としたウパダシチニブの安全性プロファイルは、これまでに様々な疾患領域で報告された試験結果と一貫しており、新たに検出された重要な安全性のリスクはなかった。
 アッヴィが自社開発したウパダシチニブは、低分子の選択的JAK阻害薬で、複数の免疫関連疾患の治療薬として開発が進められている。同剤は、JAK2、JAK3 およびTYK2に比べて、JAK1に対して強力な阻害活性を示すように設計されている。ウパダシチニブは2020年1月に、既存治療で効果不十分な関節リウマチの患者に対する治療薬として日本における製造販売承認を取得した。また、2021 年5月には、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)に対する治療薬として適応追加承認を取得している。

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