機能性ペプチド皮膚潰瘍治療薬「SR-0379」のP3治験計画届提出  ファンペップ

 ファンペップは1日、機能性ペプチド「SR-0379」について、皮膚潰瘍患者を対象とする日本でのP3臨床試験の治験計画届を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。
 同試験では、皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍及び下腿潰瘍等)を対象にSR-0379の有効性及び安全性を検証するもの。今後、PMDA の所定の調査が終了次第、臨床試験を開始する予定だ。
 SR-0379は、20個のアミノ酸からなる機能性ペプチドの開発化合物で、血管新生や肉芽形成促進を主たる作用とし、抗菌活性を併せ持つことが特徴である。
 皮膚潰瘍は、皮膚のバリア機能が欠損した状態にあり、創面には様々な細菌が付着している。細菌増殖により感染状態になると創傷治癒が遅延し、さらに敗血症により重篤な状態が生じる可能性があるため、細菌、感染のコントロールが重要となる。
 SR-0379は、同じく創傷治癒促進作用を持つ既存薬とは異なり、抗菌活性を有することが示されている。また、SR-0379は、今後拡大が予想される在宅医療でも使用しやすい簡便な投与方法(常温保存可能なスプレー剤)であるため、幅広い患者の治療への貢献が期待される。
 SR-0379は、大阪大学大学院医学系研究科の研究グループの研究成果に基づき創生されたアカデミア発の創薬シーズであり、複数のアカデミア主導の医師主導治験、更に企業治験による産学連携によって開発が進み、現在、ファンペップと塩野義製薬との共同開発により開発を進めている。
 ファンペップは、SR-0379 の開発により、高齢化社会を迎え重要性が増している褥瘡等の皮膚潰瘍の早期回復を促進し、患者のQOL向上への貢献を目指している。
 なお、同治験計画書提出による業績への影響はないが、P3試験開始時には提携先の塩野義製薬から受取るマイルストーンを収益計上する予定である。

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