オプジーボとヤーボイ、化学療法の併用療法 肺がん一次治療P3試験2年追跡試験でも好結果  小野薬品

 小野薬品は20日、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法について、未治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の2年間の追跡調査で、4サイクルの化学療法と比較して、持続的な生存ベネフィットを示したと発表した。19日に提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が公表したもの。
 P3相CheckMate-9LA試験において、2年生存率は、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群で38%、化学療法群では26%であった。追加の追跡調査で、同試験の主要評価項目である全生存期間(OS)の中央値は、免疫療法薬の2剤併用療法群で15.8カ月、化学療法群では11.0カ月であった[ハザード比(HR)0.72、95%信頼区間(CI):0.61 – 0.86]。
 化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCのファーストライン治療における免疫療法薬および化学療法薬の確立されたプロファイルを反映していた。
 これらのデータは、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で6月4日に発表される。
 延長された追跡調査において、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の臨床的に意義のある有効性は、PD-L1発現率が1%未満および1%以上、扁平上皮がんおよび非扁平上皮がんの組織型、および中枢神経系転移を含む、主要なサブグループにかかわらず維持された。
 また、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法は、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)と奏効率(ORR)、ならびに探索的評価項目である奏効期間(DOR)においても継続的な改善を示した。
 追加の追跡調査において、新たな安全性シグナルや治療に関連する死亡は認められなかった。グレード3~4の治療に関連する有害事象が、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群の48%、化学療法群の38%で報告された。
 なお、オプジーボとヤーボイを含む併用療法は、現在までに、6つのP3臨床試験においてOSの有意な改善を示している

 ◆CheckMate-9LA試験治験責任医師でGerman Center of Lung Research、グロスハンスドルフ肺クリニックのMartin Reck氏(M.D.、Ph.D.)のコメント
 進行非小細胞肺がん治療は大きく進展しているものの、大半の患者はいまだ長期生存を得られずにいる。CheckMate-9LA試験は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法の他のP3相試験で立証された持続的なベネフィットとともに、短期間の化学療法を追加することでがんの早期コントロールを補助するよう計画された。
 2年間の追跡調査では、化学療法を追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法群は、化学療法群と比較して、持続的な生存期間の改善を示し、このアプローチの有望性が引き続き示されている。

 ◆BMS胸部がん領域開発担当バイスプレジデントのAbderrahim Oukessou氏(M.D.)のコメント
 転移性がんの研究において私たちが目指すのは、生存期間をさらに改善し、進行非小細胞肺がんなどの困難な診断に直面する患者が長く生きられるように手助けすることである。
 今年のASCOにおいて、当社は、オプジーボとヤーボイの併用療法が異なるがん腫で驚くべき持続性を示した複数のP3試験の結果を発表する。CheckMate -9LA試験のデータでは、非小細胞肺がん患者の治療薬として、このユニークなアプローチによる意義のあるベネフィットが2年時点で引き続き示され、勇気づけられている。
 

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