オプジーボとヤーボイの併用療法 肺がん一次治療P3試験4年データでも有用性  小野薬品

小野薬品は20日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、P3相CheckMate-227試験Part1の最短4年以上(49.4カ月)の追跡調査で、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルまたは組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストライン治療において、引き続き長期生存ベネフィットを示したと発表した。
提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が19日に明らかにしたもの。
 PD-L1発現率が1%以上の主要な患者集団における4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で29%、化学療法群では18%であった [ハザード比(HR)0.76、95%信頼区間(CI):0.65 – 0.90]。
 PD-L1発現率が1%未満の患者における探索的解析で、4年生存率は、化学療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で2倍以上であった(併用療法群24% vs 化学療法群10%;HR 0.64、95% CI:0.51 – 0.81)。
 免疫療法薬の2剤併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCに関して報告されたこれまでのデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能であった。
 また、新たな安全性シグナルは認められなかった。完全なデータは、2021年米国臨床腫瘍学会年次総会で6月4日に発表される。
 PD-L1発現率が50%以上の患者を含むPD-L1発現患者における探索記述的解析では、4年時点で、オプジーボとヤーボイの併用療法が、オプジーボ単剤療法と比較して、有効性のベネフィットを示し、長期予後の改善におけるヤーボイの重要性を裏付けた。
 PD-L1発現率が1%以上の患者での生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で29%、オプジーボ単剤療法群では21%であった。
 PD-L1高発現(50%以上)患者での生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で37%、オプジーボ単剤療法群では26%であった。
 同様に、PD-L1発現率が1%未満の患者における探索記述的解析では、オプジーボとヤーボイの併用療法群は、オプジーボと化学療法の併用療法群と比較して、全生存期間(OS)のベネフィットを示し、4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で24%、オプジーボと化学療法の併用療法群で13%であった。
 同試験で、オプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群と比較して、より持続的な奏効を達成した。奏効は、患者が本試験のプロトコルに従い最長2年間にわたる投与を終えた後も持続した。
 PD-L1発現率が1%以上の患者での奏効率は、4年時点で、オプジーボとヤーボイの併用療法群で3分の1以上の34%、化学療法群では7%であった。
 一方、PD-L1発現率が1%未満の患者での奏効率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で31%、化学療法群では0%であった。
オプジーボとヤーボイによる併用療法は、現在までに、6つのP3相臨床試験においてOSの有意な改善を示している。

 ◆ドセ・デ・オクトゥブレ大学病院内科腫瘍部門長のLuis G. Paz-Ares氏(M.D., Ph.D.)のコメント
 私たち臨床医が肺がん治療において目指すのは、患者の生存期間の延長である。肺がんは今も、がんによる死亡の主な原因となっている。CheckMate-227試験の4年間の追跡調査では、オプジーボとヤーボイの併用療法が、引き続き持続的な全生存期間の延長と良好な奏効期間を示した。
 これらのデータは、進行非小細胞肺がんの治療における私たちの進展の象徴であり、ファーストライン治療の選択肢として、この免疫療法薬の2剤併用療法の重要性を裏付けている。

 ◆BMS胸部がん領域開発担当バイスプレジデントAbderrahim Oukessou氏(M.D.)のコメント
 追跡調査を1年また1年と重ねるごとに、肺がんだけでなく様々ながん腫において、オプジーボとヤーボイの併用療法の持続的ベネフィットが引き続き示されている。
 オプジーボとヤーボイの併用療法による長期予後の改善を示したCheckMate -227試験の4年間の追跡調査の結果は、ファーストラインの進行非小細胞肺がんを対象とした免疫療法薬の併用療法に関する最も成熟したP3相試験データである。免疫療法薬の2剤併用療法の実証されたベネフィットを、引き続き世界中の非小細胞肺がん患者へ届けたい。

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