地域包括ケアとしての新型コロナワクチン接種 新宿区 さこむら内科院長 迫村泰成

 新宿区でも連休明けから一般住民(75歳以上)へのワクチン予約が始まりました。予約が殺到し回線がつながりにくい状況になっていることを外来で何人もの高齢者から聞いております。「5月の初めはまだ届くワクチンが少ないからねー 5月後半になれば増えてくると思いますよ」とお答えしています。
 医療従事者向けの接種は4月中旬より始まり、私も基幹病院で1回目を受けました。まだ受けていない相当数のクリニック、接種が開始されていない薬局、訪問看護などがあり、当院も連携型施設として対応します。5月中には、予約の取り方・ワクチン搬送・日常診療の中での対応・ 余剰ワクチン処理の方法・副反応の確認などを流れをスタッフとともに確認し慣れていくつもり。東京都ワクチン接種予約システムkintoneやV-SYS、VRSといった初めて聞くシステムへのデジタル入力は少しハードルです。
 一般住民への個別接種は、集団接種状況を見つつ必要な件数を決めていきたいと考えています。集団接種、65才以上2回接種を7月末までに終えるためには単純計算で1200人/日程度の体制が必要であり、やはりサテライト型施設(個々の診療所)での個別接種のペースを上げていく必要があるかと考えます。新宿区・医師会など関係者の話合いがつき次第、個別接種への対応を開始する予定です(現状ですと、医療従事者向けに余ったワクチンを在宅高齢者に接種して良いか不透明)

 地域包括ケアとしてのワクチン接種に大切と感じるのは以下の2点です

・地域の自治体がイニシアチブを取り、関係者と協力する
それぞれの感染状況に合わせ、地域単位で独自に決められる部分を残しておく(国や東京都が一律に決め過ぎない)

・接種する現場での融通をしやすくする
接種を担当する医療機関をガチガチの規則で縛らず、医師の判断で臨機応変で対応できるようにする(余剰ワクチンへの対応など)

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