びまん性皮膚硬化型全身性強皮症治療薬のP2相臨験開始  田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は3月31日、米国開発子会社のミツビシ タナベ ファーマ ディベロップメント アメリカ(MTDA)が、びまん性皮膚硬化型全身性強皮症(dcSSc)に対する経口治療薬「MT-7117」のグローバルP2相臨床試験(DECODE)試験を、米国、カナダおよび欧州で開始したと発表した。
 国際一般名dersimelagonのMT-7117は、デルシメラゴン、選択的メラノコルチン1受容体作動剤で、2020年4月、FDAよりdcSSc治療薬としてファストトラック指定を受けている。
 全身性強皮症(SSc)は、希少疾患であり、自己免疫、血管障害および皮膚や内臓(心臓、肺、消化管、血管、腎臓など)における線維症を特徴とする慢性全身性疾患である。
 SScの一種であるdcSScは、皮膚硬化(線維症)や重度の臓器障害と関連しており、罹患率や死亡率が高くなっている。現在、この疾患に対する治療としては、臓器に特異的な合併症に焦点が当てられている。
 DECODE試験は、dcSSc患者を対象としたMT-7117の有効性、安全性および忍容性を評価するP2相臨床試験で、多施設共同、プラセボ対照、無作為化、ダブルブラインド、並行群間比較試験である。同試験は、約72例の被験者を登録し、スクリーニング期間、52週間のダブルブラインド投与期および最終投与後の安全性追跡調査期間で構成される。
 なお、MTDAは、MT-7117について、光線過敏症(日光暴露による激しい疼痛を含む)の既往を有する赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)およびX連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)の患者を対象として、2020年6月からP3相試験実施中である。

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