九大と海藻成分によるACE2と新型コロナウイルススパイクの結合阻害を確認 FCC堀内

新型コロナウイルス感染予防効果に期待

 FCC堀内(福岡県)は19日、九州大学農学研究院環境農学部門サスティナブル資源科学講座の清水邦義准教授との共同研究により、海藻成分のフコダインを分解した低分子フコイダンによるACE2と新型コロナウイルススパイクたんぱく質の結合阻害を確認したと発表した。
 共同研究では、FCC堀内が製造するHORIUCHI L-FUCOIDAN(ホリウチ エル-フコイダン)を用いて、ACE2と新型コロナウイルススパイクタンパク質の結合阻害試験が実施された。
 新型コロナウイルスやSARSウイルスがヒトの細胞内に侵入する際、ウイルスのスパイクたんぱく質がアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)に結合する。


 このACE2へのウイルスのスパイクタンパク質結合を阻害することができれば、ウイルスはヒト細胞内に進入することができないため、新型コロナウイルスに対する予防効果が期待できる。
 本来、フコイダンは、高分子多糖類であるが、HORIUCHI L-FUOIDANは同社がもつ独自技術により分子量を500以下に分解した、低分子化フコイダンと呼ばれるものだ。
 実験では、ACE2とコロナウイルスのスパイクタンパク質が入ったキットを使用し、そこにフコイダン水溶液を添加することで、フコイダンがACE2とウイルスのスパイクタンパク質の結合を阻害するかを評価した。


 その結果、L-FUCOIDAN 1.15mg/mLの濃度で約100%のACE2-ウイルススパイクタンパク質の結合阻害活性を示した(表左側)。
 一方、高分子であるH-フコイダンは、試験した全ての濃度域で約20~30%の結合阻害活性を示したものの、L-FUCOIDAN程の阻害活性は見られなかった(表右側)。
 これらの結果から、HORIUCHI L-FUCOIDANの新型コロナウイルス予防効果が示唆された。

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