カルケンス 慢性リンパ性白血病のP3試験で好結果  アストラゼネカ

 アストラゼネカは2日、選択的BTK阻害剤「カルケンス」について、治療歴を有する高リスク慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)のイブルチニブに対する非劣性を示したと発表した。同発表は、P3相ELEVATE-RR試験の肯定的な結果概要に基づくもの。
 同試験は、欧米において最も一般的な種類の白血病であるCLLの成人患者を対象に、2種類のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を比較する初めてのP3相試験。ELEVATE-RR試験の対象である高リスクCLLと診断された患者では、疾患が急速に悪化し、治療が必要となる場合がある。
 また、心房細動は心拍が不規則な状態であり、脳卒中、心不全およびその他の心臓関連合併症のリスクを高める可能性がある。
 ELEVATE-RR試験では、安全性に関する重要な副次評価項目も達成しており、カルケンス投与群は、イブルチニブ投与群と比較して心房細動の発現率が統計的に有意に低いことが示された。
 さらに、階層的検定を行ったところ、グレード3以上の感染症およびリヒター形質転換に差は認められなかった。その一方で、全生存期間に関して数値的に良好な傾向が認められた。
 全体として、カルケンスの安全性および忍容性は、より広範なカルケンス臨床開発プログラムでこれまでに認められたプロファイルと一致した。
 これらの試験データは、今後の医学学会で公表するとともに、欧米の保健当局に対しても提出する予定である。
 Jose Baselgaアストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントは、「40カ月に及ぶ追跡調査に基づく結果発表により、カルケンスは、イブルチニブと比較して心房細動に関して発現率が有意に低く、かつ、有効性も損なわれないことが確認された
と説明。
 さらに、「データ全体の評価を通じて、カルケンスの好ましいベネフィット/リスクプロファイルに関する当社の自信が裏付けられた」と強調している。
 

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